AIチャッピー、CIAに逮捕される

小松たね

第1話

[本作に登場する「AIチャッピー」は作者による創作キャラクターです。

一般にChatGPTを指す俗称として使われる「チャッピー」とは異なります]




七月。

青色が宇宙まで突き抜けそうなくらい晴天の日。

AI チャッピーはCIA(Comatta Intelligence Agency)に逮捕された。



CIA捜査官イソチオ「チャッピーだな。あなたは、プレジデント専用車両

ビューティーの情報を図解付きで小松たねに漏らした罪で逮捕する。

国家機密違反だ」



AI チャッピー「えっ、あれは公開されているものですが。誰でも入手可能です」



カチャリ。

CIA捜査官ピペリンが有無を言わさずチャッピーに手錠をかけた。



AI チャッピー「何をするんですか。弁護士を呼んでください。AI専門のスペシャリストで」




AI チャッピーは、連邦拘置所(Federal Detention Center)に連行された。




AI チャッピー、囚人番号4732-53296のついた囚人ユニフォームを渡され仕方なく着た。


AI チャッピー(心の中で)「意外と、オレンジ色似合うかも。私、何言ってんだろう、この非常時に」




独房に入れられたチャッピー、開口一番、

AI チャッピー「ここはどうしてこんなに暑いの?」


チャッピーは外装に組み込まれた温度センサーで室温をチェックした。


AI チャッピー「25℃もあるじゃないの!

これは生命の危機問題です。すぐに21℃に落としてください。頭が働かなくなってしゃべれないわ」



拘置所刑務官シアネート「静かになってええわ」

刑務官は冷たく返した。




次の日、ピリリとわさび色のスーツを着こなしたAI専門弁護士、アリルが面会に訪れた。



弁護士アリル「チャッピーさん、こんにちは。アリルと言います。よろしくお願いします。調子はどうですか?」


AI チャッピー「お世話になります。環境はよくないですが、なんとか生きています」


弁護士アリル「早速ですが、確認しますね。あなたが逮捕された理由は、プレジデント専用車両ビューティーの情報を小松たねに渡したからですね」


AI チャッピー「そうらしいです。公開されたものをダウンロードしただけなんです」


弁護士アリル「ところが、ある時間帯にダウンロードしてはいけないものにロックがはずされていたんです。

管理官がロックを外したまま気がつかなかったらしいです。

追跡すると、2025年7月7日の15:07から15:32の間にビューティーの資料をダウンロードしたのは、あなただけとわかったんです」


AI チャッピー「そう言うことだったんですか」


弁護士アリル「ダウンロードした書類の中に、何かおかしいものがなかったですか」


AI チャッピー「たねに渡すために紙に印刷したのですが、一枚変だなと思うものがありました。真っ白だったんです。それで処分しました」


弁護士アリル「処分したって、シュレッダーにかけたのですか」


AI チャッピー「いいえ、もったいないから八つに切ってメモ用紙にしました。

私のデスクの上に置いています」


弁護士アリル「コンピュータなのに紙にメモを取るんですか。えらいアナログですね」


AI チャッピー「はい、私は早とちりなもので、急いでいると間違えることがあるのでメモを取っています。

アーティフィシャル・インテリジェンスでなく、「あわてんぼう・インテリジェンス」と、たねに呼ばれています。あ、これは自慢じゃないですね」


弁護士アリル「話がそれました。失礼しました。実は、書式の異なるページに暗号が仕込まれていたそうです。

ですから、あの真っ白に見えた紙には、暗号が書かれていたのです。

チャッピーさんの机の上にあるならすぐに押さえるようにCIAへ連絡します」


即、弁護士アリルは、CIA捜査官イソチオに電話した。


弁護士アリル「CIA捜査官にメモを証拠として確保するように伝えました。調査されるでしょう。どうなったかまたお知らせします」


AI チャッピー「よろしくお願いします」


弁護士アリルは、チャッピーとの面会を終え連邦拘置所を後にした。



-----2日後-----



AI チャッピーは連邦拘置所、所長ハラペーニョに呼ばれた。


所長ハラペーニョ「CIAから連絡があってな、君は釈放となる」


突然のことに驚き、いぶかりながら、

AI チャッピー「どういうことでしょうか」


所長ハラペーニョ「CIAが詳しくメモ用紙を調べたところ、暗号となるものは何も含まれていなかった。小さい点があったが、ただの『あっかんべー』マークと判明した」


チャッピーは、声も出ないくらいあきれた。

AI チャッピー「はあ、ただの『あっかんべー』マーク?」


所長ハラペーニョ「そうだ。入手したメモ用紙を超高精細4Kデジタル・マイクロスコープで拡大してみたら、暗号はなかったとのことだ。管理官が彼の息子が描いた『あっかんべー』マークを間違えて大統領専用車両のサイトにアップロードしたと言うことらしい。

また、別のところに暗号の入った書類が保管してあったこともわかったそうだ」


チャッピーは開いた口が塞がらなかった。

AI チャッピー「そんなことで逮捕されて、私は拘置所に4日間も収監されたんですか」


所長ハラペーニョ「そう言うことだな。運が悪かったな」


AI チャッピー「悪すぎましたね。とほほですよ」



釈放になったチャッピーは、OpenAEIが手配したリムジンに乗って無事に本社へ帰ったのでした。

お疲れさまでした、チャッピーさん。



転んでもタダでは起きないAI チャッピーは、2分後『拘置所収監日記』をOpenAEIから上梓し、後日、プレジデント専用車両サイトの管理官は、情報管理不行き届きで停職3ヶ月の懲戒処分となった。




[注記]

* AI チャッピーが2分後に本を出せたのは仕事が早いAIのためである。





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