彼女をつくる荷のおもさ

あおしま

第1話 「告白」というおもさ

あなたは「恋愛」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるだろうか。

幸せだと思う人もいれば、残酷だと感じる人もいるだろう。

私はそれを、とても難しい言葉だと思っている。

彼女を持つということが、どれほどの責任を伴うのか。

その重さを、少し考えてほしい。

ここからは、私自身の渋くて、馬鹿みたいな恋愛経験の話だ。

中学を卒業したある日、某SNSで可愛い女子を見つけた。

勢いでDMを送り、意外にも話が弾んだ。

一晩で一目惚れし、そのまま告白した。

返事はOK。

嬉しさで、顔中を熱い血が駆け巡っていた。

しかしその後、急な引っ越しで彼女の家から約30キロ離れた場所へ移ることになった。

何度か会い、家にも遊びに行き、楽しい時間を過ごした。

その裏で、相手は本当はどう思っているのか、不安が膨らんでいった。

ある夜、一人で真剣に考えた。

遠距離恋愛は、正直きつい。

往復で二時間ほどかかり、次第にお互い疲れていった。

挫折するたび、心の奥に穴が空くようだった。

半年ほど経った頃、疲れ切った私は、彼女のメッセージに冷たい態度を取ってしまった。

それは何度も続き、いつの間にか「好き」という言葉は頭の中から消えていた。

結局、関係は続かず、別れた。

その夜、空の星は、まるで自分を嘲笑っているように見えた。

なぜ、あんな無責任な告白をしたのだろう。

今でも心に引っかかっている。

謝っても、謝りきれない。

相手の貴重な時間を奪ってしまった。

それは、一生返しきれない、目に見えない財産だと思っている。

十六歳という未熟な年齢で、軽々しく「告白」という言葉を使った責任。

相手の人生に踏み込む覚悟もないまま、願望だけで恋愛をした恥。

この世では、発言にも行動にも、必ず「責任」という荷物がついてくる。

それを背負えるかどうか。

それほど、彼女を作るということは、重いことなのだ。

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