路上占い、あれこれ163その４核心【占い師は暴露する(仕事編)】

　僕は、今の事業所に入って１カ月もしない内に、事業所が赤字経営であろうことに気付きました。利用者さんの人数、売り上げ、利益率から、どう考えても職員３人分の給料と家賃水道光熱費などが払えるとは思えなかったのです。本社が別の事業をやっているので、そちらが儲かっていてなんとか経営できているのかな？　と推測していました。

　だから、最初から職員さんに聞きました。

『この事業所って、赤字ですよね？』

すると、確かにこの事業所は赤字だけど、本社の別の事業で潤っているのでなんとかなっている、と。

まあ、予想通りの答えが返ってきました。

　それから、他の利用者さんには内緒だけど、ということで、僕は何回か『この事業所は危ない』ということを聞かされていました。

　それで、ウチの事業所でも何か新しいことをやろうということで、新しい事業に挑戦しました。９月の終わりからです。

　新しい事業は、１２月には無くなりました。要するに失敗したのです。まあ、失敗した理由は明確でしたから、何も言えません。

　そこから急展開でした。まず、１１月分、１２月支払い分の職員さんの給料が遅れました。まあ、遅れながらも支払われたのですが。

　それから、社長が、年内(今月)いっぱいで社長を辞任することになりました。後任は決まっていません。そうなると、まずA型の就労継続支援事業所に必須のサーバー管理責任者が不在になります。サービス管理責任者がいないと事業所は営業できません。

『じゃあ、倒産ですね』

と、職員さんに言ったのですが、

『法的には、この場合、サービス管理責任者が不在でも、３か月は営業できるから』

と言われました。僕はそこで違和感を感じました。その３か月、誰が給料を払ってくれるの？　最悪、利用者は国からの補助金でなんとかなるとしましょう。職員さんの給料はどうなるの？　３か月の事業所の家賃は誰が払ってくれるの？　気になる点は沢山あります。

　そんな中、職員さんのうちの１人が労働基準監督署に駆け込みました。僕は病気になる前に関わっていた会社が潰れる時、倒産時の労基署の対応や組合の動きを見てきたので知っているのですが、直近３か月のタイムカード(出勤状況)の記録や給与明細などを用意しておくように言われたらしいです。

　後は、今の事業所を買い取ってくれる(引き取ってくれる)会社が現れるかどうかにかかっています。どこかが引き取ってくれるなら事業所は無くなりませんし、引き取ってくれる会社が無ければ潰れるでしょう。っていうか、赤字まみれの事業所を誰が引き取ってくれるのでしょうか？　将来的にも黒字になる見込みは無いのに。

　利用者でこのことを知っているのは班長と、職員さんと付き合ってる女性利用者さんと、そして僕だけです。職員さんはみんなやる気を無くしています。早く帰ったり遅く来たり休んだり。他の利用者さん達は何も知らず新年を迎えます。

　さあ、どのようなエンディングを迎えるのでしょうか？　いつエンディングを迎えるのでしょうか？　きっとまた就活です。やっぱり僕は、女性向け風俗店で働くことになるのでしょうか？　皆様はこの現状をどう思われますか？