祝いと呪いは紙一重。

新佐名ハローズ

祝いの祝の偏は『しめすへん』って言うらしい。

 

 

 フラミンゴが赤いのは、食べるエサの色素が沈着するから。ミカン食べ過ぎて手が黄色なるんとおんなじやんけ。


 ガラ悪いのはごめんやけど、土地柄やから諦めて。ただでさえ物騒やのに昨今のあれやこれやでいよいよが外れてもうたんやろなぁ。


 ……ほれ、アレが例のやつや。フザケた見た目やけども中身は最悪。アレは人の思いが拗れて煮詰まった挙げ句に反転してどエラい呪いになってもうてる。


 アイツが翼広げて飛び立ってもうたらこの世の終わり。アンタもあたしもみぃんなパーや。それが何時いつなんかっちゅうんは誰にも分からん。


 今かも知れんし明日かも知らん、来月か半年先か――数年、数十年ぐらいは保ったりしてもおかしない。サイコロ転がしてに乗ったら事故って死ぬみたいな。そないな話のスジ、誰が読めんねんっちゅうねん。


 ま、アンタがはよ一人前いっちょまえになってアレを粉砕したったらええんやけども。あたしの見立てやとまだ掛かるかな~。


 ん、根拠? あたしのカン。 ……んな砂糖と塩間違えたみたいな顔しなや。これでもあたし、三人しからん国家認定超級巫女やで?


 なんやアンタ知らんかったんかいな。そら余所ヨソから来たらこんななん巫女さんや思わんか。


 ただこれだけは覚えとき。たとえアレを消し飛ばしても、人が人である限りはあたしらみたいな存在は無くならんし、アイツも再び生まれ続ける。


 人の欲望ってモンは醜いもんや。いつまで経っても満たされへんし、もっともっとと求め続ける。アレはそんな成れの果て。終わらん悪夢の続きやね。


 でもな、あれ見てみ……あそこのやつや。ああやってちゃっかり屋台出して商売しよるやつ、観光名所にして盛り上げる地元、中身もよう知らんと面白がって来る客――。


 災厄やろうが何やろうが関係あらへん。なんやオモロそうなら、なーんでもメシの種にしてまう。


 あたしらなんかは素直にアホちゃうかって思うけど、こういうどうしょうもないもんを引っくるめてこそ『人間』や。



 ……そないな下らん日常も、案外捨てたもんや無いやろ?

 

 

 

 

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