誰もが大小何らかの困難を抱えている時代。自分の、せいぜい自分の身内のことで精一杯。余力があったら自分のために使いたい。他人は自分の「分」をちゃんと守って、わたしの領域を冒さないでほしい——こう考えてしまうのも無理のない世の中だ。でも、その困難があまりに重すぎ、潰れそうになっている人もいる。もしかするとそれは、きっと過去の、未来のわたしなのだ。そう思えたとき、人は多分その重荷をすこしだけ支えてあげることができるのではないだろうか。
こんなふうに言われても、そんなの綺麗事だと言いたくなるかもしれない。だったらぜひ、この物語を読んでほしい。少しくらいは、人に優しくできるようになると思う。