この先のご参入はご遠慮ください。

深夜玲奈

第1話

「この先のご参入はご遠慮下さい。」


12月31日、私は毎年神社に行っている。

今日も神社に行く。


だけど、そこの神社には、トイレの場所の近く――寺の中で禁じられているところがある。

今日はそこにも、こっそり行こうと思っていた。


ブーンと、たくさんの車が走っている。

やっぱりここは人が多いなぁ。


神社の近くに車を止めるか。

ちょうど神社の目の前が空いていたから、そこに止めた。


神社へ歩いて行った。


神社の中に入り、絵馬に願いを書いて、お守りも買って、お参りをする。

そして、ようやく――禁じられている、あそこに行く。


証拠がバッチリ残せるようにカメラを持って、

暗いから懐中電灯も持って、


「よし、準備は万端だ。」


そして私は、寺の中に入っていった。


誰もいないのを確認して……

よし、いない。今がチャンスだ!


「うわー、漏れるー!」


えっ!


「やばいー!」


よかった。

すぐに行ったし、こっちのことを見てなかったし……大丈夫だよね。


もう、びっくりさせないでくれるかなぁ。

物音したらやばいんだって。イラつく。


まぁいいや。早く行こう。


『この先のご参入はご遠慮下さい。』


よし。ここだな。


そして私は、最初に入ってから左の、禁じられている場所に入っていった。


特に変なものは無いけど……。

その瞬間。


「ジリリリリリリ。ジリリ……ジリ……ジ。」


電話が急に鳴った。


うわ、気味悪い。


……って、そうだ!

証拠、証拠!


パシャパシャ。


一つ目は、ここで終わりでいいや。

そう思い、二つ目の禁じられている場所に行くことにした。


二つ目の場所は、入ってまっすぐ行き、右に行ったところ。

あそこは特に目で見える場所だから、慎重に行かないと。


『この先のご参入はご遠慮下さい。』


……あれ?


もう一言、増えてる。


『ミル・アルミクス様がお怒りになります。』


ミル・アルミクス様?

誰だ、それ?


だけど私は、気にせず入っていった。

その後、どんなことが起きるのかも知らずに……。


二つ目の場所は、一つ目よりも家具が異様に少なかった。


見た感じ、家具は

包丁、縄、ガムテープの三つだけ。


でも、コレクションのようなものもあった。

人の顔、足、腕、手、頭蓋骨、背骨――変なものばっかだ。

バチッ!

急に懐中電灯がつかなくなった。


「うわ何このタイミング。」


コレクションの手に、何か赤い液体がついているような気もした。

だけど、面倒なことになりそうだから、気にせず歩いていた。


すると……。


看板?


ゲームとかにある、木でできた看板が立っていた。

そこには、こう書かれていた。


『後ろには、誰がいると思いますか?』


意味わかんない。気持ち悪。


でも……気になる。


怖さもあったが、ワクワク感がそれを上回ってしまい、

私は後ろを――


「いやああああああ!

助けてえええええ!」


大声が寺中に響くと同時に――


グシャッ。

ボキッ。


「さぁ、今日は久しぶりにご馳走だ。」


「ハハハハハハハハハハハハ!!」


さぁ、次は誰がルールを破ってしまうのでしょうか。

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この先のご参入はご遠慮ください。 深夜玲奈 @Oct_rn

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