この世界の上手な時間の使い方

@12_sand

第1話

朝は毎日『魔の島』についてのニュースが流れる。


魔の島。

五十年くらい前に見つかった、日本の南東にある立ち入り禁止区域だ。

約あの島の影響で能力を持つ人間が現れ始めた。

今じゃ珍しくもない。

それと最近になって少しずつだけど地球が侵略されてるらしい。……結構やばそうなことだけど、テレビとかネットとかでも大きく騒がれていない。

その理由は『能力者』がいるおかげで侵略してきた『特異環境適応生名体とくいかんきょうてきおうせいめいたい』が倒されているからだ。

名前が長いからほとんどの人が魔物というようになっている。


……俺も、その能力者の一人だけど、そのことは何としても知られたくない。

バレれば検査だの事情聴取だのが待っているし、『SE02隕石総合監理局エスイー・ゼロツーいんせきそうごうかんりきょく』とかいう組織の管理下に置かれる。正直、面倒でしかない。


ニュースを消して、ふと時計を見る


チャイムが鳴るまであと10分ほど。今から走ってもたぶんだけど間に合わない。


…鞄を担いで玄関を出た後、俺は息を一つ吸って時間を遅くした。

今の能力の強さは『弱』。日常で使っても問題ないくらいの強さだ。

ただこの能力は体力を使う。だから走りながら使うと少しの間しか遅くできない。


そして俺が教室の前についたとき、―――チャイムが鳴った。


「りんまた遅刻だぞー」


こいつは幼馴染で親友の『一条 俊いちじょう  しゅん』。

俺はそれに対して返事をする。


「しかないよ。眠かったんだから」


「お前、前もそう言って遅刻してただろ」


「大丈夫だよ。俺は運がいいから毎回先生がいない」


「その運を遅刻しない方に使ってくれ」


俊が呆れながら言う。

そんな会話をしてると、先生が来た。


「はい、おはよう。席についてないやつは席につけー」


先生に言われ俺は慌てて席に着く。


「また遅刻?」


神谷 詩乃かみや しの』も呆れながら言う。


…この二人どう考えても好き合ってると思う。


「さっきも俊に言ったんだけど、眠かったんだから仕方ないよ」


「りん、前もそういって遅刻してなかった?」


ここまで息ぴったりなのになんで付き合わないんだろう。


「…」


「どうしたの?」


「ごめん。なんでもない」


会話が終わると同時に先生が話し始める。


「じゃあ連絡事項はないから、適当に何か話を――」


〔キーンコーンカーンコーン〕


チャイムが鳴り、朝のホームルームはこれで終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この世界の上手な時間の使い方 @12_sand

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ