終焉の子どもたち
ガライツキヤ
プロローグ
──いつ訪れるか分からない終焉に、世界は常に怯え、恐怖している。
けれど終焉は確実に、人類の目前まで迫っている。
『
4人の終焉の御子は、世界を滅ぼす厄災の力を生まれ付き持って生まれた。
そのような力があったからか、彼らが物心つく頃には既に、彼らは自分たちが世界を滅ぼす存在であると知り、それを受け入れていた。
子どもたちは幼少期から終焉の力を何度も行使し、その異常にして異端な能力が目撃者やインターネットを介して周知され、日本政府にまで認知された。
「彼らは日本を──世界を滅ぼす厄災だ。彼らが世界を滅ぼす前に、我々が彼らを殺めなければならない」
これは日本政府の人間の1人が実際に言ったことである。
こうして4人の子どもは世界の脅威認定を受け、幼い内に抹殺するという行動まで引き起こした。
──結果だけ言えば、4人の子どもを殺せた人間はただの1人もいなかった。
子どもだからといって侮り、哀れみ、苦悩しながらも世界の為にと彼らを殺害しようとした人間は等しく彼らによって存在を消された。
何度も何度も抹殺を試み、そして失敗を繰り返す。
いつしか彼らは海外の国々からも命を狙われるようになった。だが、その試みが実を結んだ例は、一度もない。
終焉の御子たちによる破壊は、そのたびに世界を震撼させる。とある国の巨大な山は草花の生えない荒れ地となり、とある町は一晩過ぎて焦土の跡だけを残して消え去った。
彼らの破壊によって失われた命は誰にも分からず、破壊の張本人たる終焉の御子ですら知らないだろう。
彼らの名前が出るたびに地図から消える地名は常に生まれ、その数が手足の指の数では足りなくなったある時、日本政府は抹殺を諦め、別の手段として懐柔を試みる決断をくだした。4人の子どもたちが10歳の時の出来事だ。
政府は子どもたちに徹底的に良い思いをさせ、世界を滅ぼす行為を先延ばしさせようと考えたのだ。ある意味で国家が4人の子どもに敗北し従順になったと当時の政府は色々と言われてきたが、それでも政府はこの策を押し進めた。
この結果が4人の子どもたちにどう思われているのかは子どもたちにしか分からない。結果的に未だ世界は滅びていないので通じてはいるのだろうか。
4人の子どもは順調に成長し、今年で17歳となる。
彼らは1年前、東京都立宮原高等学校と呼ばれる学校に入学した。彼らが宮原高等学校に入学することに在学生や新入生の親から非難が殺到したが、恐怖の象徴たる終焉の御子に比べれば非難なんて安いものだと思ったのか、非難は跳ね除けられ入学が決まった。
在学生や新入生、それに教師陣はすぐ近くに居る終焉の御子にほぼ毎日恐怖しながら学校生活を送っていることだろう。
このまま4人の終焉の御子は大人になり、世界を滅ぼすか彼らが滅ぼす前に死亡するか、ほぼ全ての人間はたった4人に注目を向けている。
そして4人の子どもたちは、それぞれの想いを抱いて今日も世界を恐怖に陥れるのだった──。
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