元の世界に帰れると言われたけど、異世界で生きていくことにした ~虐めっこ達は聖女候補だけど私は違うと言われたので、逃げさせていただきます~
もにゃむ
訳の分からない日々
「第一中学校出身の
今日は高校の入学式。
入学式の後、事前に通知があったクラスに移動して、今は出席番号順に自己紹介をしているところなのだけれど、36人のクラスの32番目に私が自己紹介をした途端、なぜかざわめきが起こった。
(なに?私なんか変なこと言った?今までの人たちと同じように、出身中学と名前を言っただけだよね?)
「のえる」という名前がキラキラネーム寄りなのは自覚しているけれど、今まで自己紹介してきたクラスメートたちの名前は、私の比ではないくらいキラキラだった。
クラス内で見たことのある子はいない。
同中出身者はいないということだ。
この高校はごくごく平均的な偏差値の公立高校で、特に目立って活躍している部活もない。
ある程度の学力があって目的の部活がない地元の子が進学するような、特筆することがない高校だ。
受験の時は同じ中学の子たちと纏まって来て纏まって帰ったが、それ以外の他の中学の子とは、何一つ接点を持たなかったはずだ。
自己紹介の後、明日からの大まかな予定を聞かされ解散となったのだが、複数の女子から聞えよがしの声が投げかけられた。
「なにあれムカつく」
「ほんと、何様のつもり?」
「ノエル様のつもり?」
「「「キャハハハ!」」」
(…なに?!)
中学では目立つ生徒ではなかったけれど、人並みに友だちもいたし、こんな意味不明は悪意に曝されたことはなかった。
翌日以降、私に対する女子生徒の態度は、悪化する一方だった。
私を除いてクラス内の女子全員で1つのグループが出来上がっていて、女子全員が私を見ながら聞こえるように悪口を言い続けた。
悪口は悪意のある噂に変わっていき、それが真実であるかのように、学校中に広まっていった。
性格が悪い。
手癖が悪い。
他人の物を奪う。
気に入らない子に暴力を振るう。
尻軽。
パパ活に必死。
・
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悪口を言い始めた女子生徒たちと、噂を信じた女子生徒と男子生徒から、物的被害、身体的な虐めを受けるようになり、それらは徐々にエスカレートしていった。
高校入学から3週間。
私は疲れ果てていた。
もう死んでもいい、そう思うくらいに…
明日から
このまま学校を辞めることは決めているけれど、今後のことについてはじっくり考えて、結論を出そう。
学校を辞めることについては、祖父母に相談して了承を得ている。
私は小さい頃に家族を全員事故で亡くしていて、祖父母に引き取られて育てられた。
高校でのことは、高齢の祖父母に心配をかけたくないから、なんてことを言っている余裕はないと判断した。
虐めはエスカレートして、階段から突き落とされたり車道に突き飛ばされたり、私を殺そうとするまでになったのだ。
GW直前の、私にとっては最後の登校日の学校からの帰り道、私はクラス全員に囲まれ、2人の男子生徒に両腕を拘束され、人気のない河川敷の高架下に引き摺られていった。
文字通り、引き摺られた。
河川敷まではクラスメイト33人が私と私を拘束している男子2人の周りを囲んで他人から見えないようにして、大声で話をすることで、私の助けを求める声を誰にも聞こえないようにされた。
河川敷の到着すると、12人の女子生徒と19人の男子生徒が、私と私を拘束している男子生徒2人の周りを輪になって囲んでスマホを構え、1人の男子生徒が私の口に布を突っ込み、別の男子生徒が私の制服の襟元にナイフを差し込み、ブラウスを一気に切り裂いた。
途端にシャッター音が連続で聞こえてきた。
「動画も撮れよ。ネットに流すんだから」
「こいつらの後で、俺らもヤレるんだろ?」
「高飛車なビッチを
「俺たちが正義だ」
「私たちが正義なのよ」
(この苦しい生活から逃げることも許されないの?なぜここまでされなければいけないの?もっと早く学校を辞めるべきだった…!)
男子生徒が私の
シャッター音は鳴りやまない。
これから自分に訪れるであろう絶望的な未来を想像して、今の自分にできる
次の瞬間私に襲い掛かったのは、ナイフと筆舌に尽くし難い未来ではなく、瞼を閉じていても目が痛くなるほどの光だった。
両腕の拘束が解かれて、自力で立っていられなくて座り込んでしまった。
座り込んだ床は冷たかった。
光が治まったのを感じて目を開くと、そこは河川敷ではない記憶にない
河川敷にいた、クラスメイトの女子生徒全員と共に。
元の世界に帰れると言われたけど、異世界で生きていくことにした ~虐めっこ達は聖女候補だけど私は違うと言われたので、逃げさせていただきます~ もにゃむ @monyamu
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