A面長編 1話 物語の原点

① 悪魔が見た運命の一日


「ワン‼ ツー‼ スリー‼」


 試合の結果は、もう決まった様なものだ。会場中がカウントを数える。唐海中等部ボクシング部1年。この物語の主人公、大沢知也はリングに倒れ気が遠くなった。対戦相手は、学生ボクシング界のスーパースター、小林翼。実力は半端じゃなかった


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   軽蔑      憎悪           無意味

孤独              切れた唇

     顔のアザ                 自分の未熟

             後悔

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その時、天使が舞い降りた。


「やめてえっ!」


 その叫び声で、会場は静まり返った。カウントをとるべき人でさえ、静かになった。


「死んじゃいや! 知也くん、死なないで!」


 大沢の幼馴染、高田真理だった。リングにまで上がろうとする。彼女の兄、隆が止めるが、それでも真理は暴れた。


「真理だけは応援しているよ! 一人だけ味方いるよ!」


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  お前なんか好きじゃない 

      裏切った。ぼくが望んで

         ぼくが、お前を傷つけたのに……

   声をあげるな、黙れ       誰だってそうしたはずだ

       もう愛はいらない

              ぼくが間違っている……そんなの認めない

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 小林は呆然とするだけの大沢を真っすぐ見た。


「……君はいつ死ぬつもりなんだ。さあ、立ち上がれ!」


 青春を体現したその一言で、会場の風向きが変わった。


「がんばれ、いい試合しているぞ!」

「あの女の子のためにがんばれ!」


 大沢は強い想いが芽生えた。その力で立ち上がると、彼は快進撃を見せた。

……この逆転勝ちこそ、彼の人生を大きく狂わせる。


「やったあ、知也くん! ありがとう!」


 高田真理の笑顔は、グロテスクなほどきれいだった。



[大沢知也か・必ず強くなる・あの女は、お前が分からない・お前も、あの女が分からない!]

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