第2話 憧れの場所

そして俺は3月の終わりごろ、入寮するために岐阜を離れて、東京に行く時、親と友達が岐阜駅まで見送りに来た。


「雄心、俺らにちゃんと連絡しろよ」


「あぁわかってるって」


と笑いながら友達に返し、


「雄心元気に過ごすんだぞ」


「おう!」


と親にも元気よく返した。

そして定刻の時間になり電車は出発すると、俺は手を振った。

俺は泣きそうだった。

なぜなら、友達や親と別れてしまうからである。

そして、名古屋に着いて、新幹線に乗り換えて東京駅を目指した。

そして東京駅へ着くと、俺はチームバスを探したがすぐに見つかった。

バスに乗ると、そこには鍋原監督がいた。


「ここにいるみんなは、全員初対面だと思うから、一人ずつ自己紹介をしましょうか」


とあの時と同じ笑顔で返した。

そして自己紹介が始まると、俺の番が回ってきた。

少し緊張するが一呼吸おいて


根尾雄心ねおゆうしん岐阜県岐阜市出身、チームは長良川リバースです…ポジションはピッチャーです…」

(やっぱ緊張するなここで一発かますか)

「目標は龍山選手を超えることです」


そういったとたんざわつき始めた。

「龍山を超えるだって」

「夢見すぎだろ」

「無理無理」

そういう陰口が昔からよく聞こえる。

(言わなかったらよかったなぁ…)

そう後ろ向きに考えると隣の席にいたやつが


「お前なら…できる…って」


と言ってきた。

見た目はどこにでもいそうなザ・モブって感じの顔、線が細い体をしている。


「なんで、そう言い切れるんだ?」


そう聞くとそいつは


「だって…なんかできそうな見た目してるもん…」


と怖気づきながら言った。

(ふぅん、面白れぇやつだな)

「お前名前は?」


そう聞くとさっきの怖気づいた様子から一変して、明るくなり言った。

山口治哉やまぐちはるやです、地元の宇都宮ではヤマハルって呼ばれてました」


「そうか、俺の名前は根尾雄心、よろしくなヤマハル」


「よろしく、雄心!」


その後も俺と山口は話してるうちに意気投合した。

そう話をしていると“憧れの場所”三鷹高校に着いた。

「ッげぇ」


「やっぱ…雄心…生で見たらすげぇよな」


「あぁそうだな」


俺達は呆気にとられた。

今まで聞いたことしかない場所が今目の前にあることに。

そう呆気に取られていると


「じゃぁ寮分けをしていきます」


と鍋原が言うと


「じゃぁ、根尾と山口は104号室に向かってください」


「はい!」


と俺らは返事をした。

寮の見た目は3階建ての長屋だった。

そして104号室に入ると、先輩がで迎えてくれていた。


「初めまして、俺は新高3牧島光まきしまこうだ、そして奥でマンガ読んでてまるでニートの奴が新高2松山涼太まつやまりょうただ」


「誰がニートですか」


「ッせ先輩やぞ」


と牧島先輩は笑っていた。

つくづく運がいいな、いい先輩がいて、と思うと違和感が走った。

4人部屋にしては広すぎることに。


「あれ、もう二人は…」


そう言うと牧島先輩は


「あぁ田中と青山のことか…あいつらは…バレずにゲーセンに言ってるぜ…」


と呆れながら言うと

(は?)

という言葉が浮かんだ。


「田中って…18人と経験したらしいな…何がとは言わないが」


と松山先輩が呆れながら言った。

強豪に来たのに遊びに呆ける馬鹿が存在するのか?

とその時は思った。

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2026年1月1日 18:00
2026年1月2日 18:00

天才が天才と呼ばれなくなるまで 塩川恒武 @shio1020

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