今 この瞬間

あおしま

短編小説3

私は今、窓を開けて寒さを感じている。

その寒さの中で、再び生きていると自覚した。

何も不自由なく、十六年生きてこられたのは幸せなことだ。

ニュースを見るたび、明日を望んでいたはずなのに、

それが叶わなかった人たちのことを思う。

心のどこかに、小さな穴が空いた気がした。

不幸だとか、親ガチャだとか。

私にとっては、とてもくだらない言葉だ。

幸せの定義は人それぞれだと思う。

けれど、私にとっての幸せは、

明日が来ることだ。

もし心がもやもやするなら、冬の星空を見上げるといい。

寒く、景色は澄み、空は静かで、心が落ち着く。

しぶとく、生きろ。

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今 この瞬間 あおしま @Aoshi0815

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