第17話:変わり果てていた

ダブレの最大の港町タミンに エミリーは溶鉱炉を建設した。

そして、ダブレの街についに風呂屋が出来た。


ダブレ領内には、大きな川が流れていて領内の村、街は、

ほぼ川に沿って発展していた。 


人は水場が無いと生きていけない。


この川の水を 石、砂、墨などで ろ過した水を沸かして使った。





エミリーは、銅貨1枚で 風呂に入れるようにさせた。

それでは、完全に赤字だった。


やや納得がいってない様子だった ミランダは疑問に思い聞いてみた

エミリー様、なぜそこまでお安くするのですか?


最低、銅貨2枚で無いと、元が取れないと


「しかも60以上の高齢者と、10歳未満はタダだった。」


大浴場の壁にはタイルで描かれた 富士山。


体育座りで湯船につかるミランダの前で


エミリーは首にタオルを巻き、素っ裸で おっさんの様に仁王立ちしていた。




あのねミランダ 領内に病院を増やすのは 

天文学的なお金がかかるのよ。

それに 病気の時の治療費もハンパない、てか 貧乏人には払えないわ。


ミランダは母の事もあり 痛感していた。


だから 愚民どもには栄養あるもの死ぬほど食わせて、

風呂に入らせて身体を清潔に保つ。

そして そもそも病気にさせない身体にするのよ!!。


するとどうなると思う?。


ミランダは 「どうなるのです?」と聞き返す。


エミリーは 無い胸を張り、全力で 清々しく 言った 



「鬼の重税が取れるのよ!!!」っ あっはっはっはーーー。




ミランダは言った。 

エミリー様、アホな話は ともかく なんでもいいので 

風邪ひきます。 湯船に入ってくださいと。


フンッ まあいいわ ダブレには あと40件の風呂屋 建設してやるわ。



その頃、ドルド国は、港で貿易船に絨毯が売れ、金貨の前で、

誇り高き部族長達は「プライドとか なにそれ 美味しいの?」

となっていた。


そこには かつて 誇り高かった部族長達の変わり果てた姿があった。 


「金は人の心を簡単に むしばむのだった。」 

部族長達は「経済の蜜」にどっぷりと浸かっていた。


その報告を受けたエミリーは、館の執務室で大爆笑した。


その瞳は獲物を狙う大蛇のように

鋭いスリット状になり、どす黒い悦びに満ちていた。


まあ 形はともあれ ダブレもドルド国も互いに発展するのであった。

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