主人公のアレンは魔力最弱ゆえに、戦闘とは無縁の戦時記録の役職へと飛ばされる。
それは力こそが正義、魔力を持つ者こそ英雄として戦場を駆け、皆からの羨望を集める戦時下ではまさに寒職であり、虐げられる者だった。
英雄たちは自分の力を誇示するために、大型魔法陣を展開させ、地を割り、天を裂く。輝かしい戦果の下には、おびただしい数の犠牲があった。
彼らの苦痛、悲鳴をアレンは溢さない。確実に拾い、状況を正しく記録する。
しかし、それは英雄たちの戦果を侮辱することであり、プライドを傷付けることだった。
真実と虚構、現実と夢物語の狭間でアレンと英雄たちは対峙していく。
真実はいつも一つ!!
本作は、本当の勝利とは何か、真の英雄とは誰か、という問いを戦史記録という独自の切り口から描く異世界ファンタジーです。
読み進めるうちに、最弱の魔力ゆえに戦場の片隅へ追いやられた主人公のアレンが、剣でも魔法でもなく「記録」を武器に英雄たちへ立ち向かう熱い姿を見届けることになるでしょう。
部下を消耗品として扱うレオン達と、1人でも多くの命を救おうとするヒロインのレティシア達。その対比には、思わず手に汗を握ります!
現在53話読了時点でのレビューですが最大の見どころは、かつて勝利のために犠牲を許容していた軍師ユリウスが、大きく変わっていく過程。ここは作品のテーマを象徴する重要な転換点だと感じました。
そして、彼の意志と「あるもの」を受け継いだアレンが、自ら信じる正しい道へ踏み出していく展開が非常に熱い!
戦場で消えていく命を記録することが、権力を裁く刃へと変わっていく。その瞬間から、アレンの本当の戦いが始まったのだと感じました。
本作は、単に机上の記録だけで物語が進むのではなく、戦場の残酷な現実や、圧倒的な力を持つ英雄たちとの対峙まで描き切るストーリー!
本当の勝利とは何か? そして真の勇気とは何か——。
「英雄」の在り方を問い直す、社会派ファンタジーとしての魅力も持った熱い作品です!