第2話 出会い

桜が舞い落ちる坂道を慣れないローファーで俺は歩いている。今日は4月10日。今日から俺の高校生活が始まる。家から歩いて30分というのはかなりの好立地だが正直この坂道はかなり堪える。自転車を使わないのはこの坂道を漕いでいく体力もないし押して歩くのも面倒だからである。そしてこのローファーとかいう靴はかなり歩きづらい。というか痛い。何でこんな不便なものを指定しているのか。規律だからしょうがないが。周りを見ていると新品の制服に身を包んだ他の新入生達もこの坂に苦戦しているようだ。4月だってのに汗をすごくかいている男子学生もいれば済ました顔で登校している可憐な女子学生もいる。というかめっちゃ走って登校している髪の長い美少女もいる。なんでこの坂を走れるのか。まぁそれはさておきさてさてどんな出会いが待っているのやら。俺こと"大沢南"ははっきり言って特別な人間である。改めて言うと非常にアホらしいが。だがそれは事実なのだ。それは変わっているという意味だが性格が変わっているとかそういうわけではなく根本的に人と違うのだ。それが理由なのかそうじゃないのかは分からないが何事にも本気になれない。運動神経はいいが部活動には所属したことがないし友達はいても親友はいない。何というか中途半端なのだ。だがその特別性故にこの高校生活では役割が与えられている。その役割っていうのは...

「おい南!何で先に学校に行ってんだよ。俺とお前は一心同体!さぁ輝かしい高校生活の1ページを俺と刻もう!」

「チッ 追いつかれたか... それにうるさい」

「舌打ちはやめろよ ったくそれにしてもこの坂きつすぎるな!何でみんな平気そうな顔して登ってんだよ もしやあいつらはすでにこの坂を既プレイなのか?!」

うるさいのが来たな。それに意味がわからない。こいつは堀之内ケイ。俺はとある事情でこいつの堀之内家に住まわせてもらっている。付き合いは長いが友達というよりは家族といった感じか。

「南はあんまりキツくなさそうだな。もしかして"力"使ってんのか?」

「いや使ってないぞ。ケイには前にも言ったと思うけど俺はあの"力"は極力使うつもりはないぞ。まぁ"特別課外活動"では必要になるだろうが」

「そうか。でももったいねーな。鳥が空を飛ばないようなもんだぜ。俺のやつは使い勝手が悪いからな。それよりタマのやつを見てないか?俺が起きた時には家にはいなかったからな」

「タマか見てないな。俺より先に出て行ったからな。多分高尾さんと"特別課外活動"の打ち合わせでもしてんだろ。後ちゃんとタマに感謝しとけよ。今日は本来ケイが朝ごはん当番だったのにお前が起きないからタマがやってくれたんだぜ」

「そうか我が妹ながら出来たやつだ。それにしても高ちゃんも勝手な人だよな。俺たちに勝手な役割を与えてそのせいで部活動に入れないからな。くっそ...!俺の陸上部のマネージャーになって先輩女子と付き合う予定が早速崩れたようだ...!」

「お前マネージャー志望だったのかよ」

「ああ 俺は走るのは嫌いだからな だがスポーツ女子は大好きだ!何といってもあの汗をかいた姿が良い!」

「我が家族ながら最低なやつだな」

タマっていうのはケイの双子の妹で高尾さんはケイのハトコに当たる人物でこの4人で堀之内家で暮らしている。

「まぁまぁ それよりようやく我らが橘ヶ丘高校に着いたようだぞ」

市立橘ヶ丘高校。ここ橘ヶ丘市ではトップの偏差値を誇る。俺もケイもそこそこ勉強はできる方だが単に近いからという理由でここに決めた。創立60周年を誇っており地域に根付いているが校舎の老朽化も進んでいる。俺たちはそのまま入学式が始まる体育館へ向かうとそこには見慣れた姿があった。

「ああーやっと来た。今日は高ちゃんと今後の話をするために早く行こうって言ってたじゃん!起きないケイはまだしも南君はもっと早く来れたんじゃないの?」

「すまんタマ。なんか考え事をしてたらめっちゃ遅く着いてしまった。高尾さんもすみません」

「いや良いんだ"大沢君"。慣れない靴にこの坂道だ。それにしてもみんな制服が似合っているね。ああお姉さんも昔を思い出すなー あの青春の日々を」

「へぇー 高ちゃんにもあったんだな。華のjk時代が。今ではくたびれた未亡人にしか見えないからなあー」

「ちょっとケイ!いくら高ちゃんが25歳になっても彼氏が出来たことが無くて給料の殆どをタバコと酒と乙女ゲームに使っていて2日に一回しか風呂に入らないからといって言い過ぎじゃないの?!」

「いやタマ ケイよりもお前の方が酷いことを言っているぞ」

「おい君たち。高ちゃんじゃなくて高尾先生と呼べと言っただろう」

「そこですか?あの罵倒はいいんですか?」

「まぁ事実だからな。それより君たちは分かっていると思うが"特別課外活動"を早速今日から始めて貰うから。入学式が終わると各クラスに分かれてオリエンテーション的なやつがあるからそれが終わったら全員生徒会室横の"活動部"の部室に集まるように。ネタバレするとみんな同じクラスだから安心してね!じゃ」

高尾先生はそう言うと体育館を出て行った。職員室に戻ったのかまだ入学式まで少し時間があるからタバコを吸いに行ったのかのどちらかだろう。

「高ちゃんクラスの事言ってだけど本当かな?まぁみんな同じクラスなら嬉しいんだけど」

「それも重要だが何より特別課外活動だぜ。南もタマも納得してんのか?俺たち自由に部活動を選ばないんだぜ」

「俺は別にいいかな。どうせ部活に入るつもりはなかったしこの"力"を役に立てられるなら。」

「私も賛成かな。みんなで一緒に何かできるのは嬉しいし」

「そうかよ。まぁ俺も反対って程でもないんだが。欲を言うと華が欲しいんだよな」

「ケイ何を言ってるのよ 華ならこの私がいるじゃない!」

タマは自慢げにその豊満な胸に手を当てて誇らしく言った。その時少し胸が揺れていた。

「華か。お前はその無駄な贅肉が胸になければ結構いい線行けると思うんだけどなー」

「は?何言ってるの?世間一般的にはそれは加点されるものだと思うんだけど。ねぇ南君?」

「まぁ...そうかな...あるかないかで言えばある方がいいんじゃないかな...」

「南お前は何も分かってないようだな。胸は無ければ無い方が良いんだよ!本来膨らむはずのものが膨らまず絶壁を築く!これこそ男のロマン!」

「うわ...我が兄ながらキモい」

「まぁまぁそろそろ式も始まりそうだし先に座って待つか」

そうして椅子に座って待っていると式が始まった。校長先生の言葉やら市長からの言葉やら色々あった気がするが正直覚えていない。覚えている方が少ないだろう。お偉いさんの言葉を適当に聞き流しているとついにクラスが発表された。高尾さんが言ってた通り俺たちは全員1年7組であった。そして担任は高尾さん。まぁ何となく分かってた気もするが。式が終わり1年7組の教室に移動すると始めてのホームルームが始まった。 周りを見渡すと知らないやつばかりだ。それもそのはずで中学生の奴らは結構他の高校に行ったからな。あいつらはあんまり頭が良くなかったから。とクラスを物色していると朝坂を走って登校していた髪の長い子が同じクラスだ。よし。良いぞ。

「えーみなさんこんにちは。担任を務める高尾です。これから1年よろしくね。趣味は酒とタバコかな。後結構ゲームとやるかも。自己紹介はそんな感じでまぁみんなも期待に胸を膨らませてると思うけどハメを外しすぎないように 今日はこれで終わりで 明日の一時間目は自己紹介するから考えてきてね クラスの立ち位置が決まるからね」

っと結構適当な感じでホームルームは終わった。すると隣に座っていたやつが話しかけて来た。

「なぁ高尾先生だっけ...なんかダウナー系お姉さんって感じで結構良く無いか」

「ああ確かにそう見ることもできるな」

「おお!そうだよな!もしかして俺たちめっちゃ良いクラスに入れたかもな!おっと紹介が遅れたな俺は小倉純っていうだ 君は?」

「俺は大沢南 明日からよろしくな」

「おお!よろしくな いやそれにしても高尾先生は彼氏とかいるのかな?いないんだったら俺マジで狙うけどな 俺マジでああいうくたびれたおねぇさんって感じのが好きなんだよな あのホームルームの適当さもいい 何よりあの胸の無さがいい!」

その時 ガタッ!と音がしたかと思うと

「今胸の無さがいいって言ったのはお前か?」

そこにはケイがいた。こいつの席結構遠かった気がするが。いつの間にここまで来てたんだ

「ああ...そうだけど 君は?」

「俺の名前は堀之内ケイ お前と同じ貧乳を愛する同士だ」

「同士ケイ!こちらこそよろしく!失礼なことを聞くかもしれないがケイと南は高尾先生と知り合いか?入学式の前に親しげに話しているのを見たのでな」

「ああ実は知り合いでな というか家族的な存在でな 一緒に住んでいる」

「おいケイ いきなりバラすなよ」

「何だって!そうなのかいや羨ましい!だが家族というのは一番恋人から遠い存在でもある!そういう意味では僕に一番チャンスがあるんじゃないか。それはそうとあの時一緒に話していた乳のデカい下品な女は何なんだ?あいつも一緒に住んでいるのか?」

その時ガタッ!と音がしたと思うと

「今私のことを下品な女って言ったのお前?」

そこには恐ろしい顔をしたタマがいた。あの乳で良くこんな俊敏に動けるなと感心していると

「ああ...そうかな...そんなこと言ったような言ってないような...」

「いや私聞いてたから 言ったよね えっと小倉純君だっけ?同じクラスだしこれから一年仲良くしようね♡」

そういうとタマは笑顔で握手を小倉に求めた

笑顔が怖い

「あ、、、ああよろしくな」

小倉は気まずそうに握手した

「よし じゃあケイと南は高尾先生の所に行くわよ じゃあ純君また明日ね♡」

「おっとそうだったな 純!また明日色々話そうな!」

「怖がらせてすまんかったな。また明日な小倉」

「あ...ああ みんなまた明日な...」

1人放心している小倉をおいて俺たちは高尾さんが待つ生徒会室横の部屋に向かった

「変なやつだったなあの小倉ってやつ」

「本当にそう。人のことを下品だなんて。失礼しちゅうわ」

「高ちゃんって意外とモテるんだな。確かに外見は良いんだけど中身がアレだからな」

「でも純君的にはあの中身も好きそうだったけど」

「好みは人それぞれだからな 高尾さんを待たせるのも悪いし早く行こう」


「やぁやぁ遅かったね 特別課外活動部の諸君 早速本日の活動を始めようじゃないか」

「お待たせーってタバコくさ!この学校って禁煙じゃないんですか?」

「まぁまぁ ここは私のテリトリーだから バレなきゃ大丈夫だから」

「全く高尾さんも先生なんだからしっかりしてくださいよ」

「そんなことよりだ 早速代1回目の活動を始めるぞ。本来なら活動依頼を自分達で探してもらうんだけど今回はすでにあるんだ。それは...」

ゴクリ...少しの緊張感が走った ついに始まるのか この部活動はこの学校をこの街をこの世界を変える可能性を秘めている 何たって俺たちはそれをできる"力"を持っているのだから

俺たちは高尾さんから事前に世界を変える目的があることを知らされている さて何をさせられるのか

「猫探しだ!教頭先生が飼っている猫が一昨日逃げ出したらしくてな 教頭先生は学校の近くに住んでいるし恩も売れるしということで今から学校周辺で猫を探してもらうから はいこれがその猫の写真ね」

「って猫探しかよ!それじゃ俺ら何でも屋みたいじゃねーか」

「まぁこの部活ってぶっちゃけ何でも屋みたいなもので そういうのって最初は猫探しってのが定番だし ゆくゆくは世界を変えるかもしれないからまずはその第一歩ってことで的な?」

「わかりました!私猫好きだし絶対見つけます!」

「この部活動では"力"を惜しみなく使って良いから まぁ頑張ってね 期限は今日から一週間

それまでに見つからなかったらこの部活動は意味をなさないということで廃部にするから」

「えっ高ちゃん!それはどういうこと!」

「まぁなんか緊張感があった方がいいでしょ」

「正直廃部でも構わないですけど教頭の猫も可哀想なのでまぁやりますよ」

「じゃあリーダーの大沢君あとはよろしく」

「俺がリーダーかよ まぁ早速探しに行くか」


そう言って部室を出た俺たちはとりあえず学校周辺で探しつつ写真を見せながら聞き込むことに。

「ったく 猫探しかよ これじゃ俺たちの"力"別に役に立たないからな」

「まぁ私達の"力"基本的には役に立たないからね」

「さっき緑公園のところで猫を見たといっていた目撃情報があったし、そっちの方に行くか」

「おお そうだな」

そうして俺たちは緑公園の方に向かった

決してデカい公園ではないが堀之内家からも近く昔は3人でよく遊んでいたっけ 滑り台しかない寂れた公園が正面に見えてきた さて猫はと

そこには少女が1人で走っていた 

確か朝もウチの坂を登っていた子か

なんか綺麗だな と見惚れていると

「おい南 あの子確かウチのクラスにいたよな。めっちゃ可愛いし何よりあの胸がいい」

「もう何言ってんだか でも猫のこと知ってるかもしれないし ちょっと話を聞いてみようよ」

「ああ そうしようか...ってまずいぞ南!」

公園からボールが飛んできたかと思うと小学生も道路に飛び出してきた そこには高速でトラックが突っ込んできており少年はボールに夢中でトラックに気づいていない

「俺が行く!」

咄嗟の判断で俺は飛び出した

時間がない 久しぶりだがあの"力"を使うしかない 俺の身体能力を"書き換える" とりあえず今より数段階上に 常人じゃ出せないスピードとそれに耐えられる体を構築する

数歩飛んで少年の元まで辿り着く

「よし もう大丈夫だぞ」

よし辿り着いた ただこれじゃ避けることはできない

仕方ない さらに俺を書き換えてこのトラックを壊して...

その時だった 世界が止まった 止まったかのように見えた 俺も少年も動けない

というかあの高速で動いていたトラックも止まっている いやなんだこの違和感は よく見るとトラックは少しずつだが戻っている 世界が巻き戻っているのか とただただ動けないでいると誰かが走ってこちらにきているのが見えた

あの少女だ あの公園を走っていた少女がこの逆行している世界を1人走っている 何という対比 あの少女が進むたびに世界は巻き戻っている 

「綺麗だ...」

俺はただただ見惚れていた

「さあ!立って!避けるのよ!」

「ああ...ああ」

いや動けるぞ 俺はその少年を抱き抱えると公園までその少女と共に戻った。トラックが道路を通っている。

気づくと世界は元に戻っていた。

「あ、あのありがとうお兄ちゃん!」

「ああ無事で良かったよ ただお礼はこのお姉さんにいいな」

そう言ってその場を去ろうとしてた少女を呼び止める

「お姉ちゃんありがとう!」

「ああ 気にすることはない」

少年はにっこり笑ってその感謝の意を伝えるとボールを持って友達だちの元に戻ったこと

「なぁあんた 今のは一体?」

「あんたじゃない 私は海原リク 君は?」

「俺は大沢南 確かクラスも一緒だったよな」

「そうだっけ まぁいいわ それより南 あなたも何かしらの"力"を持っているようね」

「そうだ ってことは海原さんも持ってるんだな "力"を」

「ええ 私は走れば走るほど世界を巻き戻せる ほんの少しだけど 走った分だけ世界が逆再生されその中を自由に動けるの」

「なるほど その逆再生の中では俺みたいな人は動けるのか」

「いいえでもあなたは動けていたわね 何かあなたの能力が関係しているかもしれないけど」

「確かにあの少年は止まっていたしな じゃあいつも走っているのってその力が関係するのか?」

「まぁどうだろうね そうかもしれないしそうじゃないかもしれない  ただ走るしかないのよ私は」

「それはどういう...」

「さて明日も学校で会えそうだしそろそろ私は帰ろうかな あの力を使って疲れちゃったし」

「そうか じゃあ最後に一つ聞かせてくれ

あの力はいつも使っているのか?走ることは確かに能力を発動することトリガーであるだけで走る🟰逆再生ってわけじゃないんだろう?」

「まぁその通りね 巻き戻すのも面倒だし 今みたいに急を要す時や最高のじいができた時は巻き戻すわね」

「ん?じい?」

「うん自慰よ」

「じい...爺...自慰...自慰?」

「うん自慰 オナニーともいうわね」

「ん今なんて?」

「オナニー」

「えっ」

びっくりした こんな美少女から放たれる言葉だと思わなかったから 正直さっきの走る姿を見て結構惚れそうになっていたのだけどこれで俺は目が覚め...いやさらに夢中になっていた

「よろしくね大沢南君」

「あ、ああ こちらこそ」


こうして俺たちは出会った


※下書きです 

※稚拙で文を書くのが下手です











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