10 あいことば
いつもドアをノックする度俺は昔に出会った女の子のことを思い出していた。
その子はいつも明るくて
ふたりで作ったボロボロの秘密基地でよく遊んでいた。
ダンボールで作ったドアをノックした後
女の子は言った
『あいことばはー?』
こんなふうに彼女を思い出すことはできるのに俺が答えていたあいことばは一向に思い出すことができなかった。
ある日の放課後俺は友人と帰っていた。
友人は植物が好きで雑学などを説明される
けれどためになることもあるので嫌な気はしなかった。
『花言葉って知ってるよね』
友人は言う
『まぁ、詳しくは知らないけどな』
そう答えると友人は目を光られて
じゃあ僕の好きな花言葉教えあげる!!と言った。
俺はしょうがないなあと言いながら聞くことにした。
『僕はローズマリーがいちばん好きなんだ!花言葉は記憶でね…』
記憶…
『記憶とかそういう花言葉はほかにもあるの?』俺は聞いた
『うーん少し違うけどワスレナグサって花ならあるよ!』
"ワスレナグサ"その名前を聞いた時俺は昔のこと、全てを思い出したんだ。
『ごめん、俺用事あるから先帰るわ』
目を見開いて立ち尽くす友人を置いて俺は
家から約20分のとある場所へ向かった。
そこには数年前と変わらないふたりで建てた秘密基地があった。
ダンボールのドアに近づいてトントントンとノックをしてみるがもちろん反応はない。
それでも俺はノックをし続けた、何度も
けれどあの時と同じようなあの子の返事はこない。そんなのは当たり前、だっていつの話だと思ってんだ
と自分自身にも呆れたりした。
俺は諦めようと立ち上がる
『あいことば』
そう聞こえた
振り返ると微笑みながらこちらを向いて立っている女の子がいた。
『あいことばは?』
『ワスレナグサ』
俺は答えた
これがあいことば
ワスレナグサ
『来るのが遅いよ、ずっと待ってたんだから』
彼女は涙を流して言った。
『ごめん、おれ全部思い出した』
『私の方こそごめんなさい、入院するって病気があったっていうべきだったの』
神様、ありがとう。
俺は運命の人とまた巡り会えた。
『ワスレナグサの花言葉』彼女は言う
それは『『私を忘れないで』』
2人の声が重なる
これが俺たちの愛言葉だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます