ゴールデンウィーク②コラボ配信開始

「ようおめえら元気か?

俺だよ!!!!」


:よー!!!!

:元気!

:だれー?(すっとぼけ)

:お邪魔します

:コラボ楽しみ

:鼓膜ないなた

:テツヤに慣れてないリスナーもいるんだから

:すみませんウチのテツヤが


「俺に慣れてないだぁ……?

知るか! おめえらが慣れろ!!!!」


:こういうやつなんです

:よろしくお願いします

:頑張ります~

:っ鼓膜(予備)


「つーわけで今回はコラボだ。ネクサス・ストリームの後輩の文月!」


「……あ、どうも~。

はじめましての方ははじめまして、ネクサス・ストリーム・トライの文月ゆうです。

ウチのたぬきさんたちは朝活ぶりです」


マジでいきなりスイッチ入ったし、文月呼びだったから反応が遅れちゃった。

配信者あるあるなんだけど、裏で音量調整すると配信始まってから声がデカくなってビビるという。

その辺の調整もしつつ、自己紹介をする。


ちなみにネクサス・ストリーム・トライというのはネクサス・ストリームでのデビュー順的に三世代目とか三期生みたいな意味ね。

テツヤくんはモノだから一番初めのデビュー組だよ。


それから、たぬきさんっていうのはいわゆるウチのリスナーネームで、学校が山奥(誇張)だからたまにたぬきを見かけるよって雑談枠で話をしたら、いつの間にかリスナーがたぬきということになっちゃった。

VTuber界隈そういう謎経緯で命名されがち。


「というわけでだな。一部で俺がプレイ中に喋れないのに、後輩の文月はしっかり喋れてる。見習えとか抜かしてるやつがいるわけだ」


:おぉ~

:確かにゆうくんはプレイ中に喋れてるよね

:なんならコメントもバンバン拾ってる

:テツヤって掲示板とか見てるんだ

:見習えっていうか、足して二で割れっていうのは見たwww

:テツヤの場合はマジで一言も喋らなくなるから……

:マルチタスク◎

:シングルタスク◎(ものは言いよう)


コメントでマルチタスクについて触れられてるけど、これは昔取った杵柄というか、前世の経験ゆえって感じなんだよな。

ほら、教師って喋りながら板書しながら生徒の様子を見ていたりするからねぇ。


「というわけで、今日は文月に実況してもらって俺はプレイに集中する!」


:おぉ~……?

:いつもと変わんねえじゃねえかwwwww

:喋れるように頑張ってもろて

:そういうとこだぞ


「ええい、やかましい!

俺の配信で俺のプレイに実況が付いていれば一緒だろう!」


「暴論が過ぎるぅ」


:もっと言ってやって文月くん

:マジでそれ

:それで良いなら読み上げ使えよ。俺らが実況してやるから

:wwwww


「とりあえず一回やってみよう」


「ちなみに今、テツヤくんの画面共有も見ながらプレイしてるよ~」


僕のモニターには、自分のゲーム画面とテツヤくんのゲーム画面、それから自枠とテツヤくんの枠のコメントを並べてある。

初めて入ってきた収益で機材をアップデートし、目の前には三枚のモニターがある。

横向きのモニターにはそれぞれのゲーム画面──正確には配信ソフトから出力される前のデータだから、VTuberとしてのアバターは表示されていない──が表示されている。

その上にもう一枚モニターを配置して、コメント欄を置いている。

モニターが何枚もあると、配信者って感じがしてかっこいいよね?


「早速始めるぞ。(すぅ……)

レディのボタンを押せ!!!!」


:キターーー

:押せ! 押せ! 押せ!

:果たして今日のロスタイムは……w

:押せ! 押せ! 押せ!


「はーい」


テツヤくんの合図でマッチング開始のボタンを押した。

ここから実際にマッチングするまでの待ち時間を、彼のファンの一部ではロスタイムと呼ぶ。

ものすごい勢いでボタンを押しているのに、実際のマッチングまで微妙な間が空くのがシュールな笑いを誘うのだ。


ガシャーン!


しかし今日はほぼ待ち時間は発生せず、すぐさまマッチングが完了した。

キャラ選択画面に移行する。


「文月はどのキャラを使うんだ?」


「僕はこれにしようかなと」


そういってカーソルを合わせたキャラクターは、動きは鈍いが体力が多くダメージ軽減を持つタンク系のサポートキャラ。

場にシールドを展開することも可能で、仲間の復帰を助けることもできる。

今回の企画的に、僕のプレイングはあんまり重要じゃないし、なるべくテツヤくんが戦闘し続けた方が良いかなと思ってのピックだ。


「そうか。

俺はコイツだぁ!」


:い つ も の

:知 っ て た

:おぉ~

:ソイツ使うんだ


テツヤくんのリスナーと、ウチのたぬきさんたちとで反応が二分されている。

彼が選んだのはワイヤーフックを使って三次元的な機動が可能なテクニカルキャラ。

やや玄人向けというか、下手くそが使うと弱いが、猛者が使うと強いやつ。

敵に来てボロクソにやられたからって、自分が使うと途端に弱いあれだ。




◆◆◆◆◆◆




連続投稿期間終了です。

明日からは18時に投稿予定です。

できる限り毎日投稿を続けたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

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2026年1月12日 18:00
2026年1月13日 18:00
2026年1月14日 18:00

清楚系VTuber、貞操観念逆転世界を生きる Nikolai Hyland @Nikolai_Hyland

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