清楚系VTuber、貞操観念逆転世界を淡々と生きる
Nikolai Hyland
教員による高校生の同性間の関係性に関する考察
私は公立校の高校教師としてそれなりの年月を勤めた。
公立は定期的に転勤があるし、独身ならそのスパンは若干早まりがちだ。
そんな中で見聞きして来たことをまとめると、女子校も男子校も共学も、それぞれ色々あるってことだ。
その中でもよく勘違いされがちなのは女子校だな。
いわゆる女の園、背景に百合の花咲くお淑やかなご令嬢が……みたいな幻想を抱いている人間は少なくなったが、逆にドロドロした女の戦いが繰り広げられている……的な言説がよく語られるのだが、意外とそうとは限らないというのが実感だ。
むしろ、男子校や工業高校なんかでは意外とガリ勉と体育会系とか、ヤンキーとオタクとかが仲良くなるみたいに、女子だけだと割と平和だ。
もちろん年頃の子どもをひとところに集めているのだから、それなりに問題は起こるが、下手なことをして村八分になるのは怖いからか、イジメとかはあんまり聞かなかったな。
男子校はちょっと触れたとおり、割と属性に関係なくみんな仲良くなる。
個人的にはあんまり意味のある分類だとは思わないんだが、いわゆる陰キャ陽キャみたいに分けたときに『絶対に陽キャのノリには付き合わない!』という陰キャも、『絶対に陰キャは誘わない!』という陽キャも居ないんだよな。
陽キャたちはとりあえず和を乱さないために陰キャも誘うし、陰キャは誘われたらホイホイついていくし。
そうする内にお互いに『あれ、結構コイツ面白いな』みたいになるんだよ。
いわゆる男子校ノリというか……頭の良い──偏差値の高い学校でもお馬鹿な男子高校生ノリってのは共通だったな。
私立とかなら違うかもしれないが、公立高校だと割とバリエーション豊かだから、余計にそういうのを見かけたよ。
コイツらの仲が良いの意外だなって思う組み合わせとか結構あったな。
その話を学生時代からの友人に話すと、嬉しそうに『腐腐腐腐腐っ……』って言っていたのは今でも覚えている。
おそらく創作もしくは妄想のお役に立てたことだろう。
逆に共学校の方が、同性間の関係性が歪んだりするものなんだよなぁ……。
自分の気になっている異性が自分とは別の同性を……みたいな痴情のもつれから始まったり、自分を強く見せようと他者を虐げたり。
まあそういう理由ばっかりじゃないが、男女別学の学校ではあまり見られない話だな。
ちょっと珍しいケースだと、共学化したばっかりの学校とかもなかなか難しいところだ。
いわゆるフィクション作品でもハーレム・逆ハー的な設定として使われているけれども、そんな良いものではないと言っておこう。
例えば女子校から共学化したパターンだと、男子は基本的に肩身が狭い。
本当に切り替え直後だとトイレすらも少なくて不便だったり、男子だけがどこか別の場所で着替えたりってこともある。
多くの男子生徒は数少ない男子で固まってひっそりと過ごしていたな。
女子と気兼ねなく話すタイプのモテそうなやつも、それほどちやほやされるというわけではなく、なにかの拍子にちょっとやらかして女子から目の敵にされたり、あるいはソイツを起点に女子たちの争いが始まったり、時には女子のヒエラルキーというか政治に巻き込まれたりで色々とややこしいことが多かった。
女子が少ないパターンの中でも、クラスに一人レベルの人数比の場合はそれぞれが姫になってグループを作って、姫同士はお互いに交流がないからある意味では平和──単なる小康状態な場合もある──なんだが、クラスに五〜十人くらいいる場合だと派閥ができるんだよな。
わかりやすい例だと、いわゆるスクールカーストトップとそれ以外みたいな形だな。
見た目や言動が派手めな子が二人、プラス取り巻きというか合わせているだけの感じの子をあわせて三、四人と、残りの大人しめな子が六、七人みたいなパターンだな。
それでも人数が少ないからか表面上はまだ取り繕っているんだけど、裏では結構エグいこと言い合っているもんだ。
よく見かけたし、相談もされていた私が言うのだから間違いない。
ちなみにいわゆるモテそうな一軍女子側だけじゃなくて、オタクが好きそうな大人しめの子たちも同じだぞ。
紅一点とまでいかなくとも、周りが男子ばかりだと気が強くなるというか、攻撃的になる子が増えるんだよな。
ある意味では姫もそうだけど。
心理的な防衛反応の一種なのかもしれんが、教員からしたら無駄な争いはやめてくれーって感じだったな。
◇◇◇◇◇◇
さて、前置きが長くなったんだが、そんな私がなんの因果か男女比の偏った世界に転生した。
男子が多くて女子は少ないみたいなアレだ。
さらに貞操観念が逆転して……みたいなオマケ付きである。
そもそもなにを基準に逆転なんて言っているんだろうな?
元から現代日本でも男性の草食化がどうとか言われていたし、女性からアプローチするのも当たり前……かどうかは諸説あるが、割と見かけた。
海外ならなおのことだろう。
まあそこまで細かく考えずエンタメとして、歴史的・社会的な要求として男子が少ないことで起こり得る変化としてフワッと受け入れて楽しむジャンルなのだろうな。
ともかくそういうテンプレ世界に生まれてしまったわけだ。
ちなみに男女比は概ね1:2.5から1:3で女子が多いぞ。
男子の出生率が何千分の一とかってほどトチ狂った世界ではない。
流石にそれは人類が滅びちゃうだろうしな。
進んだ人工授精だのクローン技術だの、そういう取ってつけたようなSF的要素もなく、純粋に女子の方が多く、元世界でいう男性的な役割の多くを女性も担ってきた世界観と思ってくれ。
とはいえ、元世界の性別的な役割には、生物学的な違い──単純に身体がデカかったり力が強かったりってことが関わっていたわけで、翻ってこの世界では女性の平均身長は高い。
日本の平均身長でいえば、男性が百七十センチメートルくらいで前世よりちょっと縮み、女性が百六十五センチメートルくらいで結構伸びているのだ。
身長だけじゃなくて、身体がやや筋肉質でもある。
スポーツは多くの種目で男女混合であることが増え、種目によっては身長二メートル近い選手もざらにいたりする。
これには巨女属性の私氏大歓喜。
んんっ。
閑話休題。
そんなこんなでこのパラレル世界に生まれ落ちた私は、女子からチヤホヤされる生活を送る……なんてことはなく、当然のごとく男子校に入学しました。
◆◆◆◆◆◆
本日は20時、22時にも投稿がありますので、良ければお付き合いください。
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