第11話 レベルアップキター!!

  「はぁ。ほんとどうしたものか……。」


 一応頑張って木の上に上り隠れてはいがオーガなどと言った平気で木を投げ倒す連中がいれば俺は落ち落下ダメージ&狙われ即死だろう。

 だからといって逃げ場はほぼなし。それにシアたちも色々頑張ってくれてるっぽいからな。女神様は女神様で……。いや、あいつだけ何もしてねぇな。

 どうかバレませんように。


 そう思いながら体を縮こませ枝分かれしている木の上にこっそりと潜めているが、マップを見る限りそろそろ魔物の大群がやってくる時間だ。魔物はただのバカではないのでこの特性を活かしあの手この手などいやらしいことばかりしてくるのだ。

 空も少しづつ暗くなっていくが静けさを感じない。心臓がこれでもかと言うほどうるさいし、本当に大丈夫か?


ピロン!!


「はっ!!」


 女神メールか……。はぁ。またくだらない事でメールしてきたんだな。なんて思いながらメールを開くがそこに書いてある内容を見て俺は一目散に木を降り走ってその場から姿を消した。

 走る時もマップを確認しこっちに向かっていないか。など見ていたが何匹かは俺の方に向かっている。

もうバレてしまったのだろうか? これはこのままどうにかしてやり過ごす他ない。


 23件目

 木の上に隠れていたら死にますよ。ゴブリン程度には問題ないと思いますが相手はトロール、オーガがメインとなって固まっているのでここにある木々も多く切り倒されるでしょう。

 今は見計らっているので何もしていませんが油断は大敵です。

 ちなみにいちばんの大ボスはオーガアニキというオーガの中でも大きく力量が桁違いなオーガです。街のものと協力すれば倒せるとは思いますが甚大な被害が出るでしょう。


 ヤバい、ヤバい、ヤバい。

 オーガはマジで死ぬ。一発でも食らった瞬間俺はこの世界とおさらば確定だろう。


 死を連想すればするほど呼吸は早くなり、どこからか力がみなぎってくる感じがし、いつも以上の速さで何とか魔物との距離を開けることができてはいるがさすがに疲れてくる。

 これは一か八かだ。多分相手は音を聞いて俺の場所がわかっていると思う。ならば走らずに移動すれば距離があり場所がわからなくなるのではないか!!



 俺は木に隠れるように音を消しそこから敵に見つからないようにコソコソと移動を始めた。

 後ろやマップをチラチラと確認しながら移動するが今のところ全く持って意味は無い。どちらにせよ、俺の人生はもう終わりだ。


 クソ!! これなら戦うしかねぇじゃねぇか!! ふざけるな!!


 俺は怒りを込めながら地面をけるが土さえも飛ばずただの空振りみたいになってしまうがそんなことはどうでもいい。

 俺は木の影からこっそりと着いてきている敵を見てみた。


 マップの数的に5となっているがどれもゴブリンか……。

 2匹同時でやっつけられるようにはなったが倍以上の5匹との戦闘は全くやり方が変わってくるはずだが、そんな悠長なことは知らねぇ!!

 やってやるぜ!!


 俺は木に隠れてながら腕に力を込めただただひっそりとゴブリンが近づくのを待つ。

 ゴブリンの1匹が気づかず木を挟んだ俺の隣を通った瞬間俺はゴブリンの脳目掛けて本気で殴る。


 「いっ!!」


 骨を拳で殴っているのだから当然痛いが相手のゴブリンはそのまま気絶していった。持っている棍棒みたいなものを盗むが相手は4人も生存中。しかも敵は俺1匹。

 やってやるぜ!!



 ピロン!! レベルアップ!!


 攻撃 18 (+9)

 防御 16 (+8)

 魔力 9.5/10 (+5)

 俊敏 14 (+7)

 運  6 (+3)


 スキル

  水魔法 収納魔法 自宅警備員 マップ


  ↓


 攻撃 36 (+18)

 防御 32 (+16)

 魔力 19.5/20 (+10)

 俊敏 28 (+14)

 運  12 (+6)


 スキル

  水魔法 収納魔法 自宅警備員 マップ


 ピロン!! ピロン!! スキルアップ!! 自宅警備員が7級にスキルアップします!!

 詳細は女神メールにてご覧下さい!!


 はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。

 死ぬかと思ったってまだあいつら追いかけてきてるし!!

 俺は目の前にステータスなどが出てゴブリンたちから視界が塞がれ殺されると思い無我夢中で走り出したのだ。

 ふざけるなよ!! 何がレベルアップだ!! 急に俺の視界奪い上がって!! レベルアップのおかげで何とか逃げられてはいるけどさ、すごい魔物との戦闘時にレベルアップしました表示されるのなら逆にそのせいで死ぬわ!! マジで!!

 はぁ。はぁ。

 メールはとりあえず後で確認。27から54ほぼ2倍にも上がった俺の拳お見舞いしてやるぜ!!


 俺はそんな調子でさっきのゴブリンに対して隠れもせず正面から出るが途中で土を拾いアイツらがかかってくると同時に目の位置に手で持っている土を広げながら投げた。

 上手く的中し4匹中3匹の目に土が入りその場で止まるがただ1匹大丈夫だったやつが突進してくる。


 俺はくるりと交わしそのまま本気の腹パン。痛み苦しかっているところを耳元に再度パンチを食らわせどうにかなった。

 あとのゴブリンは棍棒でぶっ叩いたり殴ったりと乱暴なことで何とか戦闘が終了した……。

 ほぼ無我夢中で半分ほどしか覚えていないが俺は勝ったのだ。


 「ふぅ。本当に勝てた……。スキルの確認もしとくか。」


 24件目

 マップ内で魔物の種族が出るようになりました!! これでゴブリンとオークを間違えないので無駄に逃げ惑う必要がなくなりましたね!! でも、この世界には化け物級に強いゴブリンやスライムもいるから注意してね。


 ……。


 ふざけるな!!


 この世界の理に本気でキレてしまった俺であった。

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