第22話 I LOVEYOUの球

 カキーンッ

 打たれた球は、少し弱くて、優しい球。 

 簡単に取れる、球。 簡単にキャッチすると、球に何か描かれている。

 何だろ……。

 『幸知、

  大好きです。』

 え、え!

 副部長の方を見ると、ニカッといつもの微笑み。

 何で、こんなに、あなたは、私が喜ぶ、欲しい言葉をくれるんだろう。

 胸が、締めつけられる。

 その後、C組は無事に勝利を収めた。

 下校時刻。

 私達が出会った庭園。

 二人きり。

 シチュエーション。

 完璧じゃなくてもいい。

 一番の告白じゃなくてもいい。

 あなたに想われていれば、あなたの一番であれるなら、私は、………それでいいんだ。

 「私、副部長の事が、好きです。

  あの球に描いてあるとおり、期待、してもいい

  んですか?」

 副部長は、真下を見ると、私の方を見て、笑った。

 いつもの笑顔で。

 「はい。俺と付き合ってくれませんか?」

 

END


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泣きながら恋をして、笑いながら愛を知った。 四月一日 桜🌸 @happyRiN

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