泣きながら恋をして、笑いながら愛を知った。

四月一日 桜🌸

第1話 ドキリ(?)

 「いけない、入学式初日から遅刻なんて……あ」

 私、栗島 幸知(くりしま さち)は、今日から全寮制の一貫校・花園学園に入学する。

 でも、お母さんとお父さんが入学式の時間を間違えたせいで、初日から遅刻確定になってしまった。

 私の責任でもあるけど………それにしたって…。

 周りには誰も人一人いない。

 一人で遅刻なんて、最悪……。

 とりあえず、校舎の近くを歩いてみよう、と一歩ずつ進む。

 体育館の場所もわかんないしね……。

 庭園みたいな場所に着くと、一人の少年が座っているのが見える。

 もしかしたら、もしかしたら………遅刻仲間っ!?

 ウキウキしながら声をかける。

 「あの、よかったら一緒に体育館へいきませんか?」

 わぁ………イケメン…、でも、鋭い眼。

 「……はぁ?

  俺、お前より年上なんだけど」

 お前って……というか、とっ、年上!?

 「ごめんなさいっ、遅刻仲間だと思っちゃって……でも、私、体育館の場所分かんなくて……」 

 困った顔をすれば、彼はニカッと微笑んで言った。

 「なら、俺が案内してやるよ!」

 ドキリ

 は、はぁ!?

 なんで私……こんな失礼な人に……

 ドキドキしちゃってんの……。

 

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