花道

「ふわぁ〜〜。よく寝た。」

20xx年。世間では桜が街を色付け始めた頃。

1人の少年が眠気を堪えながら起床した。

少年の名前は『花暦（はなこよみ）　はじめ』。年齢は現在14歳、背丈はこの年にしては少し高めの170と少し程。

年齢に似合わず目鼻立ちのしっかりとした眉目秀麗、イケメンと言うよりはどちらかといえば美男子の部類である。

カラスの濡れ羽色とはよくいったもので艶のある漆黒の髪が長くもなく短くもなく程よく整えられている。

「やばっ！もうこんな時間だ！入学式から遅刻はまずい！」

そう言うやいなや慌ててベッドから飛び出し朝食を食べることなく身支度を整えて家を飛び出した。

ハジメは、飛び起きた勢いそのままに今日から入学する事になる都立王花（おうか）第一高校へと足を進めた。

この都立王花第一高校は、現在全人類が開花している異能に特化した高校である。

異能の発達した現代。そして怪物と呼ばれる人類の敵。ダンジョンと呼ばれる今だ解析のできていない謎の建造物。

怪物から得られる資源による発展。

これから始まるであろう少年の物語は、

今の我々の住む世界とは異なる進化を遂げた地球での物語である。