暇だから俺が圧倒的な才能に嫉妬しない方法を教えてやろう

LucaVerce

第1話:もしも米津玄師がパプアニューギニアで産まれたら?

こんにちわ。Lucaverceです。一つの個体に複数の才能を持ち合わせてる有機生命体。いますよね。嫉妬に気が狂いますよね。あなた達は。俺はせんけど。


第一回は米津玄師さんです。


歌は上手い作曲もできる、歌詞も詩的で美しい、身長は188cm顔も綺麗おしゃれダンスもできる絵もかけるなんか頭良さそう金持ち。


持ってないものが何なのか分からないレベルの怪物ですよ。神かな?前世でトラックに引かれそうな猫でも助けたんでしょう。


対する俺


身長165cm体重60kgお金そんなにない頭蓋骨がデカいクリスマス前に彼女に振られるオーストラリアでムエタイ3試合やって全部年下に負けてる。


持ってるものが何なのか分からないレベルのうんちですよ。ゴミかな?前世で井戸に毒でも入れたんでしょう。


ちなみに私が米津玄師さんの曲の歌詞でで一番好きなのは、心象放映です。


一部を抜粋しております。


きっとまだ揺れる街路樹のそばで私の影に気づくのだろう


それでも私はさみしくて、また涙を割いて笑うのだ


まつげの下から絵の具のような心の一部が落ちていく


きっとまたあなた優しいんだ、それじゃ私はどうだろうな


まつげの!?


下から!?


絵の具のような!?


心の一部が落ちていく!?


これ涙のことですよ!皆さん!


涙の比喩表現でここまで美しいのってある?ねーよ!


彼にとって涙は透明な液体でもないし、単純な悲しい、や、嬉しい、でもない。


きっと彼の世界では心の中のいろんなぐちゃぐちゃに色が付いてて、それが涙という生理現象によって可視化されてるんだ。


この世で一番美しい歌詞だと思います。


ですが、あえて言わせてください。この「美しさ」は、米津玄師という脳みその性能だけで出力されたものではない。


はい、そんな天才米津玄師さんですが、実はSSRガチャを引いただけ説、提唱したいです。正確には、「SSRの排出対象キャラ」と「SSRのフィールド効果」がたまたま噛み合っただけ説です。


もし仮に彼がパプアニューギニアに生まれたら。


パプアニューギニアのことあんましらんのでくっそ偏見で話します。


徳島県産米津玄師(彼は徳島県の生まれです。)。ドドドド田舎ですが、日本というインフラ完璧、娯楽を消費する余裕まであり、更にネット環境も早い段階から構築されてた、いわば「SSRのフィールド効果」が揃ってる。超勝ち組国に産まれ育ってます。なので、音楽を嗜み、技術を磨き、ネットに配信する事ができる神環境です。


一方パプアニューギニア産米津玄師。おそらくですが、水も井戸から汲んでます。ご飯は多分年がら年中タロイモ食ってます。そして飢えを凌ぐためにタロイモを育てないといけません。ネットなんて無いので、愛の告白はたぶん、画面越しではなく、対面でしか行われないと思います。知らんけど。


つまり何が言いたいかって言うと、米津玄師ほどのOSを持っていたとしても、パプアニューギニアに爆誕してしまったら、そもそもタロイモ育てないといけないから音楽やる暇ねーし、インフラ整ってないってことは、そもそも娯楽やる暇ねーし、出来たとしても配信環境がないので、成功の仕様がないってことです。ソフトウェアあってもハードウェアねーんじゃ意味ねーやんっていう。パズドラ作ったけどスマホねーから遊べねーやんわし、っていう。


なのでパプアニューギニア産米津玄師の1日は多分、朝起きてなんか草で作った歯ブラシで歯を磨いて、タロイモ蒸して食って、タロイモ育てるために畑に行くと。


んで夕方になったら居酒屋に行ってぬるいビールを飲みながらウクレレを陽気に弾き、最後の一曲は自信作の「Taroimo」を、皆に聞かせると。


あ?


「Lemon」なんか生まれるわけねーやん。あんなマイナー進行で人の死を慈しむ感じの曲、部落で歌ってたら呪術士の末裔だと思われるわアホタレ。止まない雨でも降らす呪いの歌か?


要は何が言いたいかって言うと、才能なんて環境という変数次第で、出力結果(アウトプット)が変わるだけ。才能がそもそも結果じゃなくて引数なの。成功という結果の要素の一部に過ぎないの。


圧倒的な芸術の才能を持って、今の時代の日本に産まれたから圧倒的な成果を収めてる。


ここで新たに時間軸の話も出てきましたね。


パプアニューギニアで今回は例えましたが、もし彼が戦国時代に生まれてたら?


彼は本当に美しい感性をもっています。感受性の高い彼のことでしょう。


死体の山を見ただけで震えて歌詞にします。


その隙に首をはねられてる可能性だってあります。


また、「Lemon」のような神曲を仮に作り出したとしても、多分首をはねられます。呪術士の末裔だと思われるからです。


まあ真面目な話をすると、絵を描いて成功とか、歌で人を魅了、詩で魅了するとかできると思いますが、それでも農民のもとに産まれたら終わりです。タロイモではなく今度は、白菜を育てないといけなくなるからです。


今度は「Hakusai」とかになるんでしょうか。白菜から詩的なイメージが全く湧きませんが、彼ならなんとかいい歌にひてくれそうです。でもウクレレとか戦国時代にないやろしどうすりゃええんや。タンバリンでも持たせるか?


でもまあもし白菜の歌を作っても、年貢として持っていかれるだけだから、著作権収入なんて概念はないし結局成功はできないでしょう。


この考えは実は、銃・病原菌・鉄という本を読んでいた時に思いつきました。イギリス人がこの世界を我が物顔で闊歩してるのはじつは、彼らの能力が優れてるからではなく、単純に地形と、環境なんだよ。運なんだよって感じの話。


まあだから落ち込むなお前等。お前等に才能がないんじゃない。たまたま運がめっちゃいい人がたまたまSSR環境とSSRの時代に産まれただけなんだよ。だから比較するのやめて、ウクレレ持って、ぬるいビール飲みながら「Taroimo」、紡いでこうや。

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