第1話 水族館で決めましょう!~後手番~
「さて、次は私か」
私、
この一時間は無駄な一時間だった。思い返して不快感が全身から漏れだしそうになったので気づかれないよう霧散させる。これからデートする相手があからさまに不快感を溢れさせていたら彼は楽しめないだろう。これが
今週の月曜日、
と、また余計なことを考えてしまった。私の悪い癖だ。純粋に彼とのデートを楽しもう。
「歩き回って疲れただろう。そこのカフェでお茶しながら感想でもいい合わないかい?」
「いいの?僕は大丈夫だけど小早川さん、あんまり見られなかったんじゃない?」
「いいんだ。君がどう感じたのか、そっちの方が何倍も興味がある。それに本音を言うと私が座ってゆっくりしたいんだ。また見たくなったら誘ってもいいかな?次はふたりきりで」
「僕でよければもちろん」
どこからかか「途中でベンチで休んだらよかったじゃん」と恨めしそうな声が聞こえる。誰のせいで疲れたと思ってる。
「では残りの時間はクラゲコーナーのベンチでゆっくりとクラゲを眺めていようか」
会話をそこそこに切り上げ、会計を済ませてクラゲコーナーに向かう。無理に会話をひねり出して時間と間を持たせるのは、良いデートとは言えないだろう。私たちはまだお互いのことを知らない。これから少しずつ無理なく会話できる時間を伸ばしていったらいい。
クラゲコーナーのベンチに並んで座り、ぼうっとクラゲを眺める。今日は本当に疲れた。ふわぁとあくびが零れた。
「意外。小早川さんもあくびするんだ」
「私も人間だからね。心地よければあくびの一つくらい出るさ」
意識が朦朧としてきた。これは経験上、すぐ眠ることになる。眠りに落ちる前に伝える。
「きょうはたのしかった。こんごともよろしく」
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