復讐

「あれから、毎日頑張ってるのね…」

「…………行ってくる」


妹、アイリスが死んでから、もう1ヶ月が経つ。あれから、僕は毎日、毎日、剣を振り続けた。記憶が戻って、今度こそ、守れるもの全てを守ろうと誓ったから。もう、あいつも、アイリスも戻って来ないけど、それでも、これ以上何一つ失いたくない。だから、僕は強くなる。強くなって、いつか魔王を、そして、あのクソ女神を。


しばらく、魔物を定期的に狩って、レベリングをしてる。現時点でLv12。もう、オークなんかに引けを取らないところまできている。実戦経験が付いてきた。オオカミ型の魔物 ハウンドなんかにも負けない。あらかた、この辺りにいる魔物は狩れるようになった。


今日は近くの廃村に行く。

新種の魔物がでたとかで、ギルドでクエストを受けてきた。そう僕は父に習って冒険者になることにした。冒険者登録をして、スキルもいくつか取った。


廃村に住み着くのはラッド型の魔物らしく、知性があるそうで、鑑定不能の魔法を使うらしい。


特殊な魔法を使う、知性のある魔物。

そいつはきっと、経験値が高い。

僕の魔王討伐の糧にしてやる。



――廃村――

廃村は思っていたより、ずっと荒れていた。ここ最近廃墟になったものではない。何十年も前から放置されているような、そんな感じ。家々は崩壊し、人が住めるような状態では無い。家以外だともう、大したものが残っていない。元々、そこまで栄えていなかったような感じだか。


村を散策する。一つ一つ、家中を中まで確認し、丁寧に捜索したが例のラッドは現れなかった。


無駄足か。

一旦家に戻って立て直そう。


と、その時――


がっ!となにかに足を掴まれる。


「なんだっ!?」


「「「グァーグォルォウ」」」


いくつもの声が折り重なって、そいつらは姿を見せた。


幾体ものゾンビが地面から這い上がってくる。報告にあったのはラッドだけだったはず……!!!


一体、何が起こっているのか……

無数のゾンビが僕の前に立ち塞がる。


「クソッ!」


ひたすらに剣を振るう。

鍛錬の成果をここで出す!!


「『斬撃』っ!!」


剣からいくつもの鋭い斬撃が出る。

これはスキル 斬撃。

剣を振るった時に斬撃が出るようになるスキルだ。スキルも駆使して、ゾンビを次々討伐していく。


【経験値を50獲得しました】

【人間 Lv12が人間 Lv15になりました】

【スキルポイントを獲得しました】



「ふぅ……あらかたこれで全部か」


ゾンビ軍を全滅させた余韻に浸る。

ラッドは見つからなかったが、予期せずレベルも上がったし、鍛錬の成果も見られた。とりあえず帰ろう……


……としていた時。


赤眼の怪物が冷酷な眼で僕を見ていた。溢れんばかりの殺意の波動。

僕を明確に殺そうと。


まずい……逃げなければ。

死ぬ。勝てない。ラッドなんてもんじゃない。あれは……まさに魔物。


逃げたい。足が動かない。


死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ。

心臓が鳴り止まない。

冷や汗も止まらない。

死にたくない…死にたくない。

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死に……たくない。

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ネズミだが? 宇久子 @ukuko_

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