第17話 【顧客リスト】靴屋ヘイゴン
王歴125年10月18日 10時ころ
ロゼーヌの婆さんの来店。雑談をして、靴を売る。銀貨3枚のところ、銀貨1枚分安くした。
王歴125年10月18日 12時半
新米冒険者が来店。冒険者用の靴を2足売る。銀貨4枚。ロゼーヌに安く売った分、ここで銀貨1枚分高く売る。
王歴125年10月18日 14時過ぎ
新米冒険者が来店。昨日から宿に泊まっている若者。普段履きの靴を1足売る。銅貨7枚。
王歴125年10月18日 16時前
村の若者が来店。靴を1足購入。銅貨6枚。明らかに足より大きく、誰かへのプレゼント用だと思われる。
王歴125年10月18日 18時前
王都から来たルキアなる人に靴を売る。えらいべっぴんだった。おまけして、銅貨4枚で売る。
王暦125年10月18日 20時前
ワットが来店。銅貨10枚で靴を購入。閉店間際の駆け込み客。なぜか、プレゼント用のラッピングを要望。
王歴125年10月18日 22時過ぎ
ギルド長が来店。閉店後だったが、渋々対応。大型の装備用靴10足を要望。金貨5枚で売る。なぜか、あのお方は大型の靴を常備される。
収益:金貨5枚 銀貨6枚 銅貨27枚
備考欄
今日も赤字だ……。おっかぁに怒られる。
【研究員のメモ】
失踪した学生の部屋を調べたところ、買った覚えのない巨大なサイズの革靴が10足、円を描くように並べられていた。その靴の中には、熟成した肉のような匂いと、粘着性のある青い液体が並々と注がれていた。昨日、私が履こうとした靴も、なぜかサイズが合わないほど、内側から膨らんでいたんだが……。
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