ようこそ、霊能探偵事務所へ

ねる

~第1ノ幽~ようこそ、霊能探偵事務所へ

?「 いや〜…今日も良い天気だ! 」


早朝7時30分…彼女は事務所のカーテンを開き、窓を開けながら上記を述べる。


その声はとても透き通っており、早朝の街中に響き渡りそうな程であった。


街の人も彼女の声に気づいたのか、


「 よっ!美弥子の嬢ちゃん!今日も元気だなぁ! 」


なんて声をかけた。


それに対して美弥子は、早朝とは思えぬ元気さで


美弥子「 そりゃそうさ!アタシは何時だって元気だろ〜? 」


と答えた。


その時美弥子の後ろから、気だるげでとても低い声が美弥子の鼓膜を轟かせた。


?「 …お"い……美弥子…お前は…朝っぱらからうるさすぎんだよ……ちったぁ朝くらい静かにしてくれよ……頼むって… 」


美弥子「 いやいや"ナズナ"の兄さん!アタシは元気がおっきな取り柄だろ〜?いーじゃんか〜!ひひひっ笑 」


ナズナ「 あ゛〜うるさい……ったく…朝っぱらから頭痛ぇ……煙草吸ってくるわぁ… 」


美弥子「 はいよ〜!!…さっ……アタシは顔洗ってこよっかな〜 」


____________________




この世界には…あらゆる異能力が存在していた……炎を操ったり、氷を生成したり、等、皆が夢見る様な物もあったのだ。そしてその様な世界の中で、ある国が存在していた。その国の名前は…「 鬼日 」という国で、まるで日本の様な和の文化が根付いており、他の国の人からは


「 ここの国の料理と服の質、そして文化は最高級だ! 」


なんて言われている。


だがその中でもこの国には、ある問題があった。


その問題とは…「 霊的事件・霊障等、科学的に説明が出来ない事件が他の国に比べて多すぎる。 」


という問題だったのだ。


この国は、他の国に比べて神隠しや、どうやっても科学的に説明がつかない事件が多いのだ。


神隠しだとしたら、防犯カメラの映像では普通に学校からの帰り道を歩いているだけなのに、一瞬にして消えてしまったり…霊障だと、何も無い空間に人が話しかけており、そしていつの間にか操られたかのように道路に飛び出したり…等などの事件が多発している。


この事件を政府は

「霊障事件」

と名付けた。


数々の霊能者がこの事件に挑んだ…だが皆ある一定数のところまで事件の調査を進めると、調査を皆辞めてしまうのだ。


その時に、政府の直轄組織である「霊媒対策局」が直々にメンバーを審査・推薦し、その結果絞りに絞り、ある"異能力"を持った2人を抜擢、事務所を作り出した。


その名も「霊能探偵事務所」という事務所である、だが正直な所探偵でもなんでもなく、ただ単に霊障事件の解決や、霊障事件起こった際に、ある程度政府に協力するという事務所の為探偵でも何でもないのだ。


そしてこの国には…"霊"に関する異能力を持った人が多いそうな。




____________________




?「 …えっ……と…ここ…かな……「霊能探偵事務所」…って…… 」


ある少年が、霊能探偵事務所のチラシを持って事務所を訪れようとしていた…その時、事務所の階段を降りて下にある灰皿の所で煙草を吸っていたナズナと少年は出会った。


ナズナ「 …ん〜?どーしたガキンチョ……うちになんか用か? 」


少年「 えっ…えっと……霊能探偵事務所って…ここですか……? 」


ナズナ「 お〜…うちに用かぁ…ガキンチョがよく来たもんだ、上がりな。受けるかどうかはおいといて、話だけは最後まで聞いてやる。 」


少年「 あっ…ありがとうございます!! 」


ナズナは少年を2階の事務所に連れて行き、事務所のドアをゆっくり開けた。


事務所のドアを開けた鐘の音が部屋に響く。


奥で作業をして、洗顔をしている最中の美弥子が音を聞きつけ顔を部屋から覗かせた。


美弥子「 おっ!ナズナ〜!!おかえ………誰その子…誘拐してきたの……?通報していい…? 」


ナズナ「 お前ガチで殺すぞ?違ぇよ馬鹿、依頼人だよ依頼人、ほら…準備しろ〜?一応仕事すんぞ。 」


美弥子「 えっ?!その子が依頼人なの?!わ…分かったけど……ちょっと君!!お姉さん準備してくるから待っててね!! 」


美弥子は奥まで下がり、部屋のドアを閉めて鍵をかける。


ナズナ「 ガキンチョ〜…喉乾いたろ?水持ってくっから待っとけよ〜、あ…そこのソファー座っても良いからな。 」


ナズナが少年をソファーに座らせ、少年の横に座りペットボトルの水を少年に渡した。


少年「 あ…ありがとうございます…… 」


ナズナ「 ったく…うるせぇなぁ美弥子…急ぎすぎなんじゃねぇのぉ……??? 」


美弥子の部屋からは、激しい音が部屋から鳴り響いていた…そしてその数分後に服やら髪の毛がぐちゃぐちゃな姿で美弥子が部屋から出てきたのだ。


そしてそれを確認したナズナは、少年の隣から席を立ち、少年の前のソファーへと腰をかける。


美弥子「 じゃっ!改めまして!! 」


美弥子/ナズナ 「 ようこそ、霊能探偵事務所へ。 」







~第2ノ幽~に続く







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ようこそ、霊能探偵事務所へ ねる @Neru_0705

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ