@komaryo1121

朝の番組のわざとらしい感嘆からスマホに目を落とす。何も知らせない画面に、見慣れた顔が一瞬映る。


少し遅い始まりに、薄く塗り広げられた青が静かに広がっている。


コーヒーを手に取り、ベッドに横たわる抜け殻を一瞥すると、苦さだけが広がる。


口の奥で舌が何かに触れる。

指とともに、青さを失った千切りキャベツのかけらが出てきた。


それをコーヒーで流し飲むと、喉が縮み、キャベツの行方を知る。


静かになったテレビは遠くのニュースを伝え、風がグレーのカーテンを揺らす。

青は深さを増し、ゆっくりとした白が映える。


スマホが規則的に震え、知らない友人からのメールを知らせる。


コーヒーを飲み切ると、ベッドで蛹に戻る。

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