しゅうきょう
くぃみー
しゅうきょう
地球の歴史の中の、名前も無い、けれどかけがえの無い一瞬。
消えてしまいそうなほどに白く輝いた快晴の下で、柔らかな草の絨毯に身を任せた少年は、そらを見上げながら、姿の見えない君に向かって呟いた。
「人間は何かを信じることで力を得て自分と違うやつを敵視するんだって。」
彼はそらを見つめるのを止め、君を探す。
「例えばさ、人間ってただの宗教の違いでさ。
数え切れないくらいの数の同族を殺したことがあるんだって。
宗教なんて、遠い昔の誰かが考えた虚像なのにさ。
本当に、意味がわかんないよね。
自分たちの考えを曲げず、自分たちと違うものを排他する生物だからこそ社会を作れたのかもしれない。けれど、それは本当に仕方のないことだったのかな?宗教っていう存在自体が人間には早いんじゃないんかな。」
少年の拙い呟きが空に消えると、乾いた、けれどもどこか心地のよい静寂が訪れた。君は何も口にしなかったけれども、僕にはその顔が心に迷いを抱えた少年のことを包み込む穏やかな顔に見えた。
しゅうきょう くぃみー @kulimi-
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