中世期の社会事情はそれはひどいものだった。
農民には知恵を与えず、疑問を持たせず楽に支配しようとする貴族側。
そんな格差社会に村人として生まれたピコとデイジー。
物語はテイジーが望まない男爵に結婚させられそうになるところから始まる。
それは社会の底辺に生きる者には歯向かえない、男爵の『慈悲』。
村の為に良い縁談と村長は考えるが、少し特殊な考えができるピコは、テイジーのその先に人生が酷いものになることを看破。
二人は逃げ出すことになる。
ふつうなら、囚われて、拷問にあって終わりそうなところだが
ピコとテイジーは、それぞれちょっとチートとも言えそうな特殊な魔法を持っていた。
特性を活かした魔法を駆使し、二人が目指すのは帝都。
そこには『エデン』から帰ってきたという囚人がいるらしい。
この中世期に、二人が逃げ切り、平穏にシアワセに生きる場所は無いと考えたピコは
『エデン』へ行くことを提案する。
『エデン』は二人が目指す『シアワセな場所』なのか?
二人の決断は、やがて大きな意味を持つことになります。
どうぞ、見届けて下さい。
中世の理不尽な階級社会を舞台に、ピコとテイジーという対照的な少女が運命に抗う物語。
ピコとテイジーの二人が鮮烈。
ピコは天才的な観察力と知略を持ちながら、決して万能ではなく、恐れや葛藤を抱えたまま友を守ろうとする。
その“弱さを抱えた強さ”が魅力。
一方テイジーは、圧倒的な身体能力と素朴な優しさを併せ持つ少女。
現実的で慎重な性格がピコの暴走を支え、二人の関係性に温度差と深みを生み出している。
二人の掛け合いは軽妙で、時に切なく、時に痛快。
世界の残酷さが丁寧に描かれているからこそ、彼女たちの小さな願いと決意が強く胸に響く。
逃亡劇でありながら、友情と希望の物語としても読めます。
二人の行く末を追わずにはいられません。