百種類以上の民間療法を試した男
黒い兎
短編
男は長年、膝に痛みを抱えていた。どの医者に診せても、原因は分からない。それでも、男は諦めなかった。科学が認めない民間療法を、片っ端から試すことにしたのだ。
治療が怪しければ怪しいほど、未知の可能性への期待が高まった。
まずは一日三回、サメの骨を砕いた粉末を飲むことから始めた。次に、無料のパンを配る、胡散臭いセミナーにも通い詰めた。それでも効果は現れず、ついには、悲鳴を上げる膝を引きずりながら雪山を登るという無謀な行為にまで及んだ。
そんな生活を始めて二年。ようやく、奇跡は起きた。 男の膝が、完治したのだ。
知人は祝いの言葉を述べると、こう尋ねた。
「君は百種類以上の民間療法を試したそうだが、一番効いたのはどれだい?」
男はしばし沈黙し、こう答えた。
「あまりに多くを試しすぎて、何が効いたのかまったく分からないんだ」
百種類以上の民間療法を試した男 黒い兎 @BlackRabbit101
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます