真相(1/2)「他言無用でお願いします」
「ないていぶ?とは、何でしょうか。」
「平たく言うと、スパイです。」
「す、スパイ?」
僕は、思わず、笑ってしまった。何の冗談なのかと。
「あの、失礼ですが——」
「分かります。私も最初、冗談かと思いましたから。こちらをご覧ください。」
オタクさんは、僕を落ち着かせようと肩に手を置き、タブレットの画面を見せた。タブレットからは、つい1ヶ月前に見たような映像が流れる。
「我がエッグパズル社は、パズルを主力ジャンルに、多数のビデオゲームを世に出してきました。ビデオゲーム事業だけでなく、我が社は、警報システムや認知症予防のアプリ開発など、世の中に貢献した様々な事業を展開しています。」
ナレーションとともに、最近見た映像が流れる。僕は、この会社を信用できず、敢えて言葉遣いに気をつけず、本音を口にした。
「これ、説明会で、観た内容ですけど。」
「まあまあ。本題は、この後。」
また、我が社では、黒子としても、世の中に貢献しております。ここからは、内定部の関係者のみ、視聴を許します。
見たことのない注意書きが真っ黒な画面に吸い寄せられた後、画面が切り替わった。次の画面には、かつてあった「メトロポリタンタワー爆破未遂事件」や「馬水ホーム地面師未遂事件」など、歴史の教科書でも習う有名な事件の資料が出てきた。
僕は、驚きのあまり、ナレーションが頭に入ってこなかった。だが、結論からすると、全ての事件を止めたのは、このエッグパズル社だというのだ。
動画が終わると、オタクさんが茶色っぽくなった古い紙の数々を見せた。
「ちなみに、こちらは、メトロポリタンタワー爆破計画の資料です。」
「な、なんでこれを!?」
ムンクが補足をした。
「当時の担当者によると、爆破犯一派に紛れていたようです。」
「その担当者というのは・・・この会社の社員の方で・・・?」
「その通りです。」
ムンクが冷静に答えると、彼とオタクさんは、同じタイミングで頷いた。
「えっと・・・私は、身体能力も良くないですよ?中学・高校の体育だって、成績が2でしたし。大学だって、スポーツ系の教科は、避けてきました。それなのに、なぜ僕、私を?」
ムンクは、その質問を待ってましたと言わんばかりに、微笑んでから答えた。
「あなたを引き入れた理由は、鋭い観察眼と堂々と不正を指摘できる実行力からです。見落としがちな小さい文字や、大半の人は素通りしそうなことも見逃さない。それに、普通の人なら、
それを聞くと、僕は、何か思い出さなければならないことがあるようで、奥歯に物が挟まった気持ちになる。少しだけ黙って思考を停止させると、挟まった物が取れた。僕は、ハッとなり、思い出したことを口にした。
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