こじんまり一族

なかむら恵美

第1話



帰省?あ~っ。しますよ。

年柄年中、帰省(かえ)ってる。

歩いて10分、自転車で3分の距離なんです、わたしの実家。


旦那の実家も、近くてね。

わたしの実家から、これまた自転車3分、徒歩10分。凄いでしょ。

だから「帰省」感覚がない。

わたしの叔父宅、旦那の姉宅、妹宅もね、同じ町内。

ウチからええと、、あそこまでは自転車だったら5分かな。

皆々自転車でゆけちゃう距離。何かと便利で、互助会関係でもあります。


序でに言うと、菩薩寺も同じなのよね、両家とも。

車で10分程度ですから、お墓参りも身近でね。

偶然、誰かと町で会い、軽くお茶した行動として「お墓参りに」。

親族間で良くあることです。花代は半々でね。

冒険心のない両家と言うか、地元大好き人間集合とでもいうべきか?


いえね、中には定期的に(?)東京へ。

都会の暮らしに憧れを持ったり、転勤で近隣に住んだりするのもいるけど、

戻ってきちゃうのよね。何故か結局。

わたしの叔父が大学生の頃、東京に住んでいたんだけど、水が合わないのを

悟って卒業と同時に帰郷。地元の信用金庫に就職したの。

旦那の妹も、東京の彼氏を追って行ったけど、振られてね。

涙の帰郷だったとか。

わたし?

嫌いじゃないわよ、東京は。けど、住むには一寸、ね。

一人っ子だし、何かといいじゃん、便利でしょ。親の近くにいた方が。

だからまぁいっかぁ、ここで、が正直な所ね。


どうしてこうなるのかは分からないけど、一族のそれぞれ。

何となくでも全員が、揃って納得しているのが不思議だわ。

これも遺伝子なのかしら?


「こじんまり一族」

異名ができてしまうわね。


                               <了>

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こじんまり一族 なかむら恵美 @003025

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