今日につながる物語

ムーゴット

音声通話

「あっ、ちょっと待って、

充電切れそうだからコンセント繋ぐから。」


「オケ。じゃ、俺もコーヒー淹れる。」


「もぅぅ、そんな時間はないわよ、もう繋がる。」


「ハィ、こっちもスイッチ入れた、作業完了。」


「今、キッチンなの?」


「いや、コーヒーメーカーはコタツの上。」


「コタツ出したのね。私もコタツ欲しいなぁ。」


「もうすぐ一緒に住むんだから、このコタツが待っているよ。」


「あーー、でも新居はコタツが似合わない部屋がいいなぁ。」


「それ、どっちがいいの?」


「スタイリッシュな部屋にあえてこたつを置く、ギャップ萌え!」


「ハイ、ハィ。じゃ、予約サイト開いた?」


「あー、間違えて東日本開いちゃった。」


「東海道新幹線、大丈夫?」


「開いた。ねぇぇ、8時12分のでどう?」


「8時12分、どれどれ、、、。」


「15号車、5のA、Bでどう?」


「14号車14のD、Eは?」


「A、Bにしようよ。」


「『好きなアルファベットはAです!』」


「なに、急に、何それ。」


「小学校の時の自己紹介。」


「あーー、あたし言ったわ。」


「『ひらがなは、数字は1!』自己主張が強い子だね。」


「小学生って単純よね。で、A、Bで良いの?」


「富士山は、Eの側だよ。」


「あなたも単純ね。E側は二人席でしょ。A側はA、B、Cの三人掛けよ。

たまたまCが空いたままなら、ゆったり三席使えるのよ。」


いちばちかかよ。

この時期、きっと満席になるよ。

席の出入りに気を使うより、二人席がいいよ。」


「じゃぁぁ、5のD、E、15号車ね。」


「14号車14のD、E!」


「もうぅぅ、どっちでも良いけど。じゃぁぁ14号車ね。」


「じゃ、確定するよ。」


「あーー、思い出した、あなたも言ったよね。

『好きな数字は14です』って。

小学6年生で、初めて同じクラスになった時。

何で二桁?って、みんなで突っ込んだよね。

『今日、何となく急に好きになった』って、答えになっていなかったね。」


「そんなこと言ったっけ。

そうか、もうその時から始まったんだ。」


「何が始まったの?」


「今日につながる物語、出席番号14番さん!」

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今日につながる物語 ムーゴット @moogot

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