@komaryo1121

何かの記念日、無作為に選ばれた数字だろうか。

どう足し引きしても、10にはならない。


掛け算、割り算も入れてみる。

それでも、10にはならない。

スピードが落ち、2台が横を過ぎる。


赤が強烈に光る。

その赤から沈黙が始まる。


垂れてきた黒に赤が強烈に光り、

点在する家から暮らしの白い明かりが漏れる。


左には、カフェオレだけが、

ほのかに甘い匂いを漂わせる。


窓を開けると、

排気音とオスたちの求愛。


腕で確かめるが、通知はなく、示されるのは数字だけ。


青が見え、それらから離れるようにアクセルを踏む。

いつの間にか、前も10にならずに消えてしまう。


足がアクセルからブレーキにうつる。

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