第20話 滋賀篇
滋賀県の静かな湖畔に立つ高校。突如として校門が封鎖され、謎の武装集団によって「カップル狩り」が宣言された。
校内放送から流れる冷徹な声が、生徒たちの日常を無残に切り裂いていく——。
校内放送のスピーカーがガリガリと不気味な音を立てた。
「……以上がルールの説明だ。日の入りまでに、付き合っている者は自己申告しろ。隠し通そうとした者は、相応のペナルティを課す」
3年2組の教室。窓の外には、いつもと変わらぬ穏やかな琵琶湖が広がっている。しかし、校庭には黒い服を纏った男たちが立ち、逃げ場はない。
「どうすんだよ、これ……」
サッカー部のエース、健一は震える手で机を掴んだ。隣の席に座る幼馴染の美咲とは、先週付き合い始めたばかりだ。まだ誰にも言っていない。言えるはずがなかった。
緊迫の教室
教室内の空気は一変した。さっきまで笑い合っていた友人たちが、互いに疑いの視線を向け合う。
密告の恐怖: 「あいつら、最近怪しくなかった?」というヒソヒソ話が広がる。
スマホの没収: 犯人グループが教室に押し入り、通信手段をすべて奪っていく。
沈黙の契約: 健一と美咲は、一度も目を合わせないように必死に耐えていた。
異変
その時、教室の扉が勢いよく開いた。入ってきたのは、リーダー格と思われる仮面の男。
「このクラスに、嘘をついている奴がいるな」
男の手には、没収したはずのスマホが一台握られていた。画面には、健一と美咲が放課後の校舎裏で手をつないでいる写真が映し出されている。
「……滋賀の平和を乱す不純異性交遊は、我々が『再教育』する」
男の冷たい視線が、健一の背中に突き刺さる。健一は美咲を守るために立ち上がろうとしたが、足がすくんで動かない。
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