一、荷物
武家屋敷を連想させる巨大な建築物。
玄関前で荷物を持ってきた配達員がインターホンを押し込んだ。
暫くして玄関の方へ歩み寄る音と共に慌しく扉を開けると共に生嶋切之が息巻いて顔を出す。
「はぁい、どちら様でございましょうか?」
その言葉と共に彼女の焦燥した顔が配達員の前に現れた。
全身汗だくとなる彼女は急いで衣服を着込んだ様子で給仕服のシャツを無理矢理着こんだ状態でボタンを一つ、二つ、と留めただけの姿だった。
前屈みになっている為に、彼女の豊満な谷間が配達員の目に映る。
「え、あわ、は、っ?!」
驚きの余り大きく目を見開いた。
発汗している彼女は汗がシャツに張り付きうっすらと肌色が見えている。
おっとりとした、余裕を感じさせる表情をしているが、頬は紅潮していて微かに開いた口から漏れる吐息が興奮を促した。
(うっわ、湯気、シャツだけ?!エッロすぎだろ!)
段ボールを抱え込んだ配達員は彼女の姿に見蕩れている。
前屈みになっている彼女は、恐らくは下から先は履いていないのだろう。
配達員としての仕事を忘れてしまっている男性に対して、その服装と段ボールから荷物を届けに来た事を理解した生嶋切之は玄関の棚に置いたペンを持ち出した。
「お荷物で御座いますね、はい、サインと、お待たせ致しました」
にこやかに笑みを浮かべる彼女の頬に、うっすらと乳白液が付着しているのを見た配達員は彼女が先程まで何をしていたのかを妄想してしまう。
「おい、遅いぞ、早くしろ」
薄暗い廊下の奥から聞こえて来る声に、生嶋切之は声のみで反応した。
「はぁい、申し訳ありません坊っちゃま……、それでは、お仕事頑張って下さいまし」
それだけを最後に、最後まで谷間を見せつけながら玄関の戸を閉める彼女。
その場で硬直し続けていた配達員は感嘆と憧憬が混ざる吐息を深々と吐き出しながら。
「……いいなぁ、アレ絶対やってるよなぁ」
絶世の美女を抱き上げる相方が何処までも羨ましいと思いながら、配達員は空しく仕事へと戻るのだった。
「配達の中身は……あら?」
中身を確認しようとした時。
再びインターホンが鳴り響く。
その音に反応した生嶋切之は振り向くと共に段ボールを玄関口に置いた。
シャツを正しながら再び玄関の扉を開いた生嶋切之の前に。
「はぁい、先程の方でして?何かお忘れ物でも……」
その様に呟いた後。
目の前には配達員の姿は無く。
大正時代を連想させる袴姿のハイカラな少女が立ち尽くしている。
「あら?」
首を傾げる生嶋切之は、彼女の姿を認識した事で声を漏らした。
明らかに感じ入る、人を歪ませる程の膨大な殺意に、生嶋切之は反応した。
「
その言葉と共に、少女は生嶋切之を襲い出した。
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