　祖父の畑の脇には、用水路がある。

　僕は、そこのヌシだった大きな蛙を捕まえたことがあった。

　子供用のタモで掬って、蛙の重さで柄をギシギシいわせながら肩に担いで、玄関先まで持ち帰った。

　大物を釣り上げた釣り人のような気分で、家の中に向かって叫んだのだけど……

「ばあちゃーん、ショックン捕まえたー！」

「返してきなさい！」

　……祖母に即答で拒否られた。

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