静寂の中の喧騒

@ma01

ループする世界

ふと、周りを見回した。そこにあるのは静寂と、その静寂にあるべきでは無い存在だった。

目を閉じて考える。あれはなんだ?どうしてこんな所に?いくら考えても答えは出ない。確か俺は自分の部屋にいたはずだ。目を開き、ここが俺の部屋であることを確認する。そして、ドアを開けて、俺は言葉を失った。

そこには外が無かった。周りが真っ黒だとかそういう話じゃない。そこには、何かがあるようで、何も無かった。でも、ドアは空くから、そこから出れるから、俺はそこへ1歩踏み出した。そうして俺は足を踏み外す。落ちていく。下へ下へ、深く深く。だんだん暗くなっていく。足が着いた、と思った。

はっと、周りを見回した。そこにあるのは喧騒と、そこにあるべきであろう存在だった。

歩けば、歩くほど、誰かの話し声が聞こえる。そこで、声を掛けられた。

「ねぇ、そこのお兄さん。どこへ行くの?」

声を掛けた人が見当たらない。俺は周りを見回す。どこにも、誰も、居ない。

「おーい、お兄さん?ここだよ、ここ。下。」

その声に、俺は下を向く。と同時に耳を疑った。耳を触って、体を触って、俺がおかしくないことを確認する。

「ふふっ。お兄さん、何してるの?」

間違いではなかった。話していたのは三毛猫だった。

「は、三毛猫、だよな、?どうして話しているんだ?」

と聞くと三毛猫は首を傾げた、みたいだ。

「どうしてって、、普通でしょ?」

さっと、周りを見回した。そこで歩いているのは、クラスメイトとか、バイト先の人達とか、でも猫もいっぱいいて、僕の好きなアニメのキャラもいる。

「この世界なんなんだ、」

そうやって三毛猫に話しかけたつもりが三毛猫はもう居なかった。何が起きた、どうして三毛猫は消えたんだ、なんで、そうやって疑問が離れない。そしてまた、違和感を抱く。

ふと、周りを見回した。そこにあるのは静寂と、その静寂にあるべきでは無い存在だった。

目を閉じて考える。これはなんだ?どうしてこんなことになっているんだ?いくら考えても答えは出ない。

俺は確かに不思議な何処かに居たはずだ。目を開き、ここが俺の部屋であることに驚愕する。そして、ドアを開けて、俺はまたか、と思う。そこには外が無かった。相も変わらず、何も無かった。でも、ドアは空くから、そこから出れるから、俺はそこへ1歩踏み出した。そうして俺は今度は意図的に足を踏み外す。落ちていく。下へ下へ下へ、深く深く深く。だんだん暗くなっていく。足が着いた、と思った。

はっと、周りを見回した。そこにあるのはさっきより少し静かな喧騒と、そこにあるべきであろう存在だった。

歩けば、歩くほど、誰かの話し声が聞こえる。そこで、声を掛けられた。

「ねぇ、そこのお兄さん。どこへ行くの?」

俺は即座に下を見た。そこに猫はいない。

「おーい、お兄さん?どうしたの?」

その声に、俺は前を向く。と同時に俺は目を疑って、でもさっきあんなことがあったんだから、おかしくないだろうと思った。

「ふふっ。お兄さん、何してるの?」

間違いではないのだろう。話しているのは俺の好きなアニメのキャラだった。

「ミケ、だよな?俺、お前の事見るの好きで、、」

と聞くとミケは首を傾げた。

「見る?何の話、?」

確かここで、周りを見たんだよなと、さっと、周りを見回した。そこで歩いているのは、クラスメイトとか、バイト先の人達とか、僕の好きなアニメのキャラもいる。でも、猫が居なくなっている。

「この世界なんなんだ、」

そうやってミケに話しかけたつもりがミケはもう居なかった。何が起きた、どうして三毛猫もミケも消えたんだ、なんで、そうやって疑問が渦巻いている内に違和感に気づいた。

ふと、周りを見回した。やっぱりそこにあるのは静寂と、その静寂にあるべきでは無い存在だった。

目を閉じて考える。これはループか?どうしたらこのループは終わる?いくら考えても答えは出ない。

俺は部屋に戻っているはずだ。目を開き、ここが俺の部屋であることに困惑する。そして、ドアを開けて、俺はそこへ1歩踏み出した。そうして俺は今度は意図的に足を踏み外す。また落ちていく。下へ下へ下へ下へ。深く深く深く深く。だんだん暗くなっていく。足が着いた、と思った。

ざっと、周りを見回した。そこにあるのはさらに静かになった喧騒と、そこにあるべきであろう存在だった。

歩けば、歩くほど、誰かの話し声が聞こえる。そこで、声を掛けられた。

「ねぇ、ゆうくんだよね?どこへ行くの?」

俺は即座に前を見る。職場の先輩だった。

「おーい、ゆうくん?どうしたの?」

その声に、俺ははっとする。と聞きたいことがあるが、何故か声に出せない。

「ふふっ。ゆうくん、何してるの?」

声が出せると思った。勢いのままに聞く。

「先輩、ここどこですか!何がどうなって、!」

と聞くと先輩は首を傾げた。

「ここ?バイト先でしょ、?」

そんな訳あるかと、さっと周りを見回した。そこはバイト先で、クラスメイトが来店している。でも、猫が居ない上にアニメのキャラまで居ない。

「なんかループしてて、」

そうやって先輩に話しかけたつもりが先輩はもう居なかった。どうして三毛猫もミケも先輩も消えるんだ、なんで、そうやって疑問がまたもや渦巻く。そして、情景が変わって、

ふと、周りを見回した。いや、もうふとではないはずなのだが。やっぱりそこにあるのは静寂と、その静寂にあるべきでは無い存在だった。

目を閉じて考える。今度はクラスメイトか?1回の話してくれるなら何かアイデアを貰えるのか?どんな話題を振ればいい?いくら考えても答えは出ない。

俺は部屋に戻っているはずだ。目を開き、ここが俺の部屋であることを確認する。そして、ドアを開けて、俺はそこへ1歩踏み出した。そうして俺はまた落ちていく。下へ下へ下へ下へ下へ。深く深く深く深く深く。だんだん暗くなっていく。足が着いた。

ざっと、周りを見回した。そこにあるのはさっきより静かになった喧騒と、そこにあるべきであろう存在だった。

歩けば、歩くほど、誰かの話し声が聞こえる。そこで、声を掛けられた。

「お!、ゆうじゃん?どこ行くんだ?」

俺は即座に前を見る。クラスメイトだった。

「おーい、ゆう?どうした?」

その声を聞きながら、俺は考える。俺は何を聞くべきなのか、と。

「なぁ、!何とか言えよ〜!」

ここだけがチャンスなんだ、逃す訳には行かない。

「なぁ、もし、世界がループしてるって気づいたら、どうする?」

と聞くとクラスメイトは首を傾げた。

「なんだ?なんか変なのにハマったのか?俺はそうだな〜」

そこで会話が切れた。念の為、周りを見回した。そこは猫もアニメのキャラもバイト先の先輩も居ない。バイト先にいる訳でもなく、よく分からない所にいる。

「なんか答えてくれよ」

そうやってクラスメイトに苛立っても仕方ないのに、俺はイライラをクラスメイトに投げかけた。クラスメイトが消える。どうして三毛猫もミケも先輩もクラスメイトも消えるんだ、なんで、そうやって疑問がまたもや渦巻く。そして、情景が変わって、

ふと、周りを見回した。いや、ばっと、周りを見回した。そこにあるのは静寂と、そこにあるべきであろう存在だった。

目を閉じて考える。何が変わったんだろう?どうして変わったんだろう?と。

それはさておき、さっきまでと同じなら、俺は部屋に戻っているはずだ。目を開き、ここが俺の部屋であることに安堵する。そして、ドアを開けて、俺はそこへ1歩踏み出した。そうして俺はまた落ち、、なかった。足が着いた。

ざっと、周りを見回した。そこにあるのは静寂で、いつもの廊下だった。

歩いたところで、誰の話し声も聞こえない。

ガチャと音がする。

「ただいま〜」

どうやら、母が帰ってきたようだ。

「ゆう?生きてる?」

その声を聞きながら、俺は考える。さっきまでのはなんであったのか、と。

「なぁんだ、生きてるじゃない、何突っ立ってるの?」

はっと、我に返る。

「おかえり。なんか、神作品見つけちゃって、放心してた。」

と答えると、母親は首を傾げた。

「まーた変なことしてるんじゃないでしょうね?」

その発言を不快に思って、俺は反論する。

「変なことじゃない!俺の大事な趣味だし!」念の為、周りを見回した。そこは猫もアニメのキャラもバイト先の先輩もクラスメイトもいない。

「急に周り見てどうしたの?」

変じゃないな。そう実感する。

「なんもなーい」

そうやって答える。母親は消えない。どうして三毛猫もミケも先輩もクラスメイトも消えたのかなんて、答えは、探すべきものなんだろうか。そして、俺はクラスメイトに連絡を入れる。

明日遊び行かね?

ふと、周りを見回した。そこにあるのは喧騒と、俺という存在だ。

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