第2話 綺麗に焼かれたい・イノベーション
「おじさん、もう俺さ、焼かれるのやだよ」
「しょうがないだろう、子供もお母さんも買いにくるんだからおとなしく焼かれてくれよ」
「なんか最近、このたいやき型さ…摩耗してないか…きれいな鱗が出てないよ」
「そうだな…でも型ってすっごく高いんだよ」
「どうせ焼かれるなら綺麗に焼かれたいよ」
「なにつべこべ言っているんだよ、ほらあんこ入れるぞ! 」
「やだやだ、もう家出だ! 」
などとたい焼き型への不満だったのかもしれません。
*****
「おじさん、もうイノベーションするべきじゃやないかな…」
たいやきくんはある日言いました。
「なんだそのいのべーっていうのは…」
「ちがうよ、イノベーションだよ、なんて言うのかな革新、刷新ってこと…」
「なにむつかしいこと言っているんだよ、ほらアンコいれるぞ」
「そこだよ、あんこじゃなくてさ…たまにはカスタードとか白玉とか…」
「まったく金のかかることばかり言いやがって」
「そんなこと言っているから時代に取り残されるんだよ、もう家出だ! 」
などとおなかの中身の不満だったり。
おかげで今、カスタードや多種のたいやきが食べられるのかもしれません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます