うぇ~いwwwギルドマスターくん見てるぅwww

首謀S・R!

第1話 受付嬢をNTRしちゃいましたwww

冒険者都市「タラス」にある冒険者ギルドの1つ「トナカナ亭」

そこの食堂を兼ねた「クエスト受付けコーナー」にて

昼飯を食い終わりくつろぐ冒険者たちの頭上から突然


「うぇ~いwww ギルドマスターくんwww 見てるぅ~www」


と、トナカナ亭のギルドマスターを名指しする「すっとんきょうな声」が響き渡った


なんだなんだ?と声の響いてきた頭上に視線を向ける冒険者たち

彼らが目を向けた空中には「横長で四角い映像」が浮かび上がっていた


声の主は、その「映像」の向こうにいた「チャラい感じの覆面男」だった


「なんだお前は?」


受付カウンターで「商談」をしていた小太りのギルドマスターが反応する


「ギルドマスターくんへ、あんたの所の『受付嬢』奪っちゃいましたwww」


映像の視点が右にずれると

「覆面チャラ男」が座っている長椅子に座るもう一人の人物

ここ「トナカナ亭の受付嬢の制服を着た1人の女性」が映し出された


「貴様!何をするつもりだ」


「これからイイコトしちゃいま~すwww」


覆面チャラ男は横から受付嬢の肩に手を回して引き寄せると

にやけ顔を浮かべながら頭上でピースサインを出した


冒険者たちの期待と困惑でギルド内がさらにざわつき始める


「下品な」


ギルドマスターは空中に浮かぶ「覆面チャラ男の映像」に正面から対峙すると


「彼女を返したまえ!貴様のやってることは犯罪だ」


と一喝した


「犯罪ねぇ、さすがギルドマスターくんwww 守銭奴だけなことはあるwww」


「なにっ?」


「じゃあ、イイコトしちゃいまーすwww」


「やめたまえ!」


「あれぇ?イイコトするって言っただけじゃんwww

 ギルドマスターともあろう人が、何考えてるんですかぁ?www」


「貴様!どこまでコケにするつもりだ!ふざけるな!」


ギルドマスターは顔を真っ赤にして大声で怒鳴る

ざわついていた店内が静かになった


だがそんな強烈な大声に対し、覆面チャラ男は

ひるむどころか冷徹な声で言った


「ふざけてるのはオメェだよ」


「なんだと?」


「受付嬢がなぜ『公認制』なのか、理解できちゃってますかぁwww」


各ギルドでクエストの発注と後処理を行う受付嬢は、この国では『公認制』だ


なぜならギルドごとに受付嬢を雇ってしまうと、意図的にクエストの危険度を変え依頼料を釣り上げたり、力量の適正でない冒険者にクエストを紹介したりする不適切な行為が、ギルドマスターの権限でできてしまうからだ


多くの冒険者たちがそれにより命の危険にさらされてきた歴史がある

そのため、受付嬢は公認制であることが周知の事実となっていた


「それがどうした?ウチは『公認の受付嬢』を正式に雇っている。何の落ち度もない!」


「ギルドマスターく~ん、気付いてないと思ってるぅ~www」


居合わせた冒険者たちは自分たちに関係あることだと察したのか

覆面チャラ男の発言で再びざわつき始めた


「なんのことだ?」


「ギルドマスターく~ん、何人雇えば気が済むんだよ?この守銭奴www」


「はっ?何を言ってるんだ貴様?そんなことよりその受付嬢をすぐに返せ!今なら警備隊への通報をせず穏便に済ませてやる」


ギルドマスターは空中の映像に向けて手を差し出し

端から見て事態の収拾に動くようなそぶりを見せた


いや、本当に事態を取集したいのだ


一刻も早く


だが…


「彼女は絶対に返しませ~んwww うぇ~いwww」


「何を言って、このままだと誘拐罪で捕まるのは貴様の方なのだぞ!警備隊に通報されたいのか!」


「それで本当に捕まるのはギルドマスター君の方だよねぇ~w」


覆面チャラ男は口を覆う覆面の上からでもわかるようなニヤリとした顔をして言った


「このままだと法に違反する状況になるんだからwww」


「クッ…」


「そう、『公認』は彼女一人だけ~、他の受付嬢は手伝いで~すwww」


「貴様…」


「ていうかさ、受付嬢の代行を一時的に許可する特例を、『ただの素人』にずっと適用して使ってるんじゃねぇよ!」


チャラ男の話を周囲で聞いていた冒険者たちが、次々とクエストカウンターを見た

その表情には明確に怒りと不安が現れていた


なぜなら自分たちにとって適正なクエストを紹介されないことの危険性を、彼らは命がけで理解しているからだ


わずかな沈黙の後、罵声と怒号がギルド内に響き渡った


「ッざけんなー!」

「素人に何やらせてんだ!」

「俺らをコロす気か!」


ギルドマスターは集中して飛んできた皿や椅子にぶちのめされ、その場に倒れ込んだ

クエスト受付カウンターの「ニセ受付嬢」は全員が逃げ出す始末


そこに入れ替わるように、騒ぎを聞きつけた警備隊が突入


全員が捕縛された


-----

「じゃあ騒ぎも収まったので、それじゃ貴女に『イイコト』しま~すwww」


「えっ?」


「我がギルドの受付嬢に貴女をスカウトすることにしました~www」


「ええっ?」


「不満でも?」


「え、あと、えっと、よろしくお願いします」


「うぇ~いwww ボクのことは『チャラ』と呼んでねwww」


これは、悪徳ギルドが横行する冒険者都市「タラス」を舞台に

悪辣なギルドマスターに対していろいろと「うぇ~いw」する

新興ギルドマスター「チャラ」の物語である

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うぇ~いwwwギルドマスターくん見てるぅwww 首謀S・R! @syubouSR

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