【新解釈】天岩戸伝説
角山 亜衣(かどやま あい)
須佐之男命という漢
かつて、
そして、
三柱はそれぞれ『太陽』、『月』、『嵐』を司る神でありながらも、
姉弟として
勝ち気でガサツ、騒がしくも、戦うことには長けていた。
だが、決して悪い神ではなかった。
むしろ正義感が強く、己の力を試すために、
常に強敵を求めて戦いに明け暮れていた。
「
「弟者よ、そなたな……少しは静かにできぬのか?」
「だめだだめだ、静かにしてたんじゃ力が鈍るだろ! なぁ~、頼むよ!」
「……呆れた奴じゃ」
あるとき、
「おい、もっと面白い相手はいねぇのかよ! このままじゃ、俺様の腕が鈍っちまう!」
その時、どこからともなく聞こえてきた声が彼を呼び止めた。
『それほどの力があるなら、俺と勝負してみるか?』
そこには黒いオーラを纏った異様な男――冥界の悪鬼が立っていた。
「なんだお前? 面白そうじゃねぇか!」
『俺に勝てる自信があるなら、力を試してみるがいい。ただし――』
悪鬼は不敵な笑みを浮かべながら言葉を続ける。
『俺に挑む資格が欲しければ、
そうすれば、お前に相応しい
戦場、強敵、自分の力を存分に試せる――そんな機会を逃すわけにはいかない。
「いいだろう! その
その言葉と共に、
門が開いた途端、冥界の悪鬼は猛然と
神々が次々と悪鬼に挑むが、その力に敵わない。
悪鬼は
その混乱の中、悲劇的な出来事が起こっていた。
「姉者も……妹者すらも……守れなかった……!」
大切な妹を失い、
さらに、『太陽』を司る
神々は
歌い、踊り、笑い合うことで神力を高め、一点に集約し、それを
舞台の中央に立った
その姿に魅了された神々の笑い声が次第に広がり、声援が響き渡る。
陽気な雰囲気が最高潮に達し、神々が一体となる感覚が生まれる。
その力が
「これが神々の力……よっしゃあ! イケるぞ!」
その姿はまさに、神々の力の象徴。
「――開けぇぇぇぇぇっ!」
巨大な
その瞬間、闇に包まれた
扉が完全に開かれると、闇の中から眩い光が溢れ出し、
「アマテラ! 助けにきたぞ! 手を……早く!」
「タヂカラ! おぬしがきてくれたのか」
神々は歓声を上げ、踊りと笑いがさらに高まる。
「「戻ってきた――! 光が戻ったぞ!!!」」
神々が
「これで……一件落着、だな」
「タヂカラ、よくぞ救ってくれた。そなたの力、決して忘れぬぞ」
その場にいた神々も歓声を上げ、
しかし、次第にその喜びは静まり返り、神々の間に一抹の不安が広がり始める。
――今回のこの大騒動が、下界に伝わったらどうなるか?
『太陽』を司る
それは神々にとって、到底受け入れがたい恥だった。
そこで神々は相談の末、一つの逸話を作り上げた。
『
この逸話は神々全員の同意のもと広められることになった。
真相を知る者たちは皆口を閉ざし、
さらに、
「俺は責任を取らされ、下界へ追放されたことにしてくれ――」
それを償うために彼は自ら
下界に降りた
【新解釈】天岩戸伝説 角山 亜衣(かどやま あい) @Holoyon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます