【8】情報提供-内田かすみ(32)


Aさんはイカれてなんかいませんよ!


誰がそんなこと言ったんですか?


許せません。


誹謗中傷ですよ!


犯罪です!


知らないから、そんなこと平気で言えるんです。


本当に無神経な人ばかり。


嫌になります、こんな村。


だって……本当は……


とても……とても優しい人ですから。


私には、分かってるんです。


あの時だって……


私のこと、守ってくれましたから。


そうです。


あの”厄災の夕方”のことです。


地面から湧き出てきたアレから、身を呈して庇ってくれたんですよ。


誰も覚えてないんですか!?


みんな、ひどいです。


あんなに忠告してくれたのに……誰も聞かなかった。


誰ひとり……。


私だけが……理解していたんです。


悲しみ……。


苦しみ……。


孤独を……。


私、Aさんの言葉を伝えます。


本にするんです。


そうすれば、皆に知ってもらえるでしょう?


語録にしましょうか?


それとも伝記?


もしくは……聖典?


あ、良いことを考えました!


全て書きましょう。


そして……


纏めて、全集として出版しましょう。


もちろん、私の自費です。


大丈夫、お金はあります。


偉業を称えなくてはなりません。


人類の救済も視野にいれながら。


そうです。


可能性は無限大なんです。


21世紀に人類は再生します。


テンシ様のお告げです。


私はAさんの胸の中で、確かに聞いたのです。


美しい調べ……御言葉を。


ああ……そうでした。


私こそ、預言者の一人なんです……。


そうに違いありません。


あの一連の出来事は黙示録の始まりを意味しています。


まだ終わりません。


ええ。始まったばかりです。


忙しくなりますよ。


はい?


ええ。そうですね。


……は?


……なんですって?


よく、聞こえませんでした。


意味も、全く分かりません。


間違ってる?


誰が?


私が?


……。


……よ……


……よくも……


……よくも……そんな絵空事をっ!


お黙りなさいっ!


嘘などではありませんっ!


あなたこそ……嘘つきですっ……!


あなたのようなペテン師の言葉など、本物の預言者である私には無意味ですっ!


私を侮辱してっ……!!


あなたごとき……っ!!


あなたなんて、所詮は金魚のフンですっ!


殺しますっ!


裁きますっ!


やってやるっ! やってやるっ!


うひゅー……


うひゅー……


Aさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああアアアアあああああぁぁあぁぁぁああああぁ……!!!!!!!!!

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