【3】情報提供-天沢流加(27)
Aさんがね、テンシ様、なんて言うから。
え?
あ、はい。
朝は早かったですね。
ええと、それで……
なんのことですか、と私が聞いても、それっきり黙って窓の外を見ていらっしゃいましたね。
あれは、確か年末だったと思います。
とにかく煙というか、雲というか、ぶわーって吹き出ているものですから圧倒されました。
あんなになるんだなって……。
不謹慎な例えかもしれませんが……ほら、よく教科書に乗ってるキノコ雲あるじゃないですか、原爆が落とされた時の。
あんな感じなんです。
だから私、いよいよこの国が終わるんじゃないかってドキドキしていたんですけど……。
あ、SF小説好きで……。
えっと……
風が、すごく生暖かったですね。
撫で回されてるみたいな……
痴漢かな?って思いました。
嘘です。
だとしたらセルフ痴漢になっちゃいますよ。
うふふふ……。
でもね、本当にそれくらい気持ちが悪い感触でしたね。
空気というより……
ゼリー状の物体の中をね、自分の身体が突き抜けていくようなイメージなんです。
消費期限が一年くらい過ぎたゼリーですね。
ええ、最悪ですよね。
それが終わったかと思ったら、今度は物凄く生臭いわけでしょ?
あの場にいた女の子は特にね、申し訳ないけど可哀想でした。
彼女達の人数ですか? うーん……。
パッと見て……
二、三人は……いたかと思いますけど。
遠くからなんで、あまり正確では無いと思いますけどね。
男性はわかりません。
私を含めて十人以上はいた気がします。
……。
……なんですか?
え?
はい、男ですけど……。
……。
ふふ……。
……Aさんも、驚いてましたね。
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