勇者「魔王！ 覚悟！」 魔王「待て勇者よ」

勇者「魔王！ 覚悟！」 魔王「待て勇者よ」

勇者「なんだ！ 命乞いか？」

魔王「えーと、はい。端的に言うとそうなんだが……」

勇者「無惨に殺されてきた人達の命乞いを聞かなかったお前に、慈悲は無い！」

魔王「いや、違くて」

勇者「なんだ！」

魔王「そのオーラの強さ」

勇者「うん？」ﾓﾉｽｺﾞｸﾂﾖｲｵｰﾗｰ

魔王「……お前さぁ、レベル幾つ？」

勇者「レベル？ 99だ！」

魔王「えっ、戦士は？」

戦士「98だ！」

魔王「僧侶は？」

僧侶「97です」

魔王「賢者は？」

僧侶「あたしは72よーん♡」

魔王「あ、転職したのね……なるほど」

勇者「それがどうした！ 魔王！」

魔王「どうしたって……こっちのセリフだよ！ めちゃくちゃ高いじゃん！ どうして!?」

勇者「どうしてもこうしても……コスパインの洞窟でレベル上げに勤しんだ、それだけだが」

魔王「コスパインの洞窟？ あんな中レベル程度のダンジョンで？」

勇者「はがねメタルが出るからな」

魔王「えっ、そうなの？」

戦士「アイツらと戦うと、なんだか凄く強くなれる気がするんだよな」

僧侶「苦しい日々でしたね……」

魔王「いやいやいや、なら四天王の城は？ 強敵のドリルマンとかは？」

勇者「ワンパンだ！」

魔王「げえっ!?」

勇者「覚悟っ!!」

魔王「そもそも推奨レベル超過しすぎやっちゅうねん……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

魔王「だが私が諦める訳にもいかん！ こいっ勇者！」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」

魔王「うぉっふ!?」ﾁｰﾝ

〜〜〜〜

勇者「魔王！ 覚悟！」

魔王「待て勇者よ」

勇者「なんだ！ 命乞いか？」

魔王「えーと……はい。端的に言うとそうなんだが……」

勇者「無惨に殺されてきた人達の命乞いを聞かなかったお前に、慈悲は無い！」

魔王「いや、違くて」

勇者「なんだ！」

魔王「道中で死んじゃったなら仕方ないし、気のせいだとしたらちょっと気を悪くしないで聞いて欲しいんだけどさ」

魔王「勇者、お前一人？」

勇者「？ そうだが？」

魔王「えっ？」

勇者「えっ」

魔王「戦士は？ 僧侶は？ 賢者は？」

勇者「俺には仲間がいない！ だが大丈夫だ！ 今までもひとりで何とかなってきた！」ﾓﾉｽｺﾞｸﾂﾖｲｵｰﾗｰ

魔王「勇者」

勇者「なんだ！」

魔王「レベルは？」

勇者「レベル？ 99だ！」

魔王「なるほど、回復魔法も全体魔法も使えるし一人で十分だと……」

魔王「舐められたものだ！ こいっ勇者！」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」

魔王「うぉっふ!?」ﾁｰﾝ

〜〜〜〜

勇者「魔王！ 覚悟！」

魔王「待て勇者よ」

勇者「待たん！ 何故だか急がないと行けない気がする！」ｿﾚﾅﾘﾉｵｰﾗｰ

魔王「待て！ お前今回は何故そんな急いで……」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」

魔王「いきなり切りかかるヤツがあるかっ！」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」

魔王「うわっ!? ちょっと待て、お前の頭元に光っているその数字の羅列はなんだ!? 3時間24分!?」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」

魔王「うぉっふ!?」ﾁｰﾝ

〜〜〜〜

勇者「魔王！ 覚悟！」

魔王「待て勇者よ」

勇者「なんだ！ 命乞いか？」

魔王「えーと、いいえ」

勇者「無惨に殺されてきた人達の命乞いを聞かなかったお前に、慈悲は無い！」

魔王「いや、違くて」

勇者「なんだ！」

魔王「そのオーラの弱さはどうした？」

勇者「うん？」ﾓﾉｽｺﾞｸﾖﾜｲｵｰﾗｰ

魔王「……お前さぁ、仲間は？ レベルは幾つ？」

勇者「仲間は居ない！ レベルは1だ！」

魔王「……は？」

勇者「1だ！」

魔王「いや、1だ！ じゃなくて。えっ？ そういえば伝説の鎧は？ 剣は？ 盾は？」

勇者「そんなものはない！」

魔王「お前の持ってるそれ木の棒だよね、攻撃力2の最弱装備」

勇者「だからどうした！ 怖気付いたか!?」

魔王「いや確かに怖ぇよ」

魔王「四天王は？ ドリルマンは？ 電気クラゲは？」

勇者「血が出るなら……」

魔王「うん？」

勇者「血が出るなら倒せる筈だ！」

魔王「はぁ!?」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」1ﾀﾞﾒｰｼﾞ

魔王「おい、やめろって」

勇者「このこのこのこの！」

魔王「 舐められたものだ！ 今までの鬱憤を晴らしてやる！ こいっ勇者！」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」1ﾀﾞﾒｰｼﾞ

魔王「だから効かんと！」

勇者「でやぁぁぁぁ!!」1ﾀﾞﾒｰｼﾞ

勇者「でやぁぁぁぁ!!」1ﾀﾞﾒｰｼﾞ

勇者「でやぁぁぁぁ!!」ｸﾘﾃｨｶﾙ!!4ﾀﾞﾒｰｼﾞ

勇者「でやぁぁぁぁ!!」1ﾀﾞﾒｰｼﾞ

魔王「ええい！」

勇者「とりゃ！」ﾋｮｲ

魔王「あっ、こら！ 避けんな！」

勇者「お前のパターンは読めてるぞ！ 魔王！」

魔王「このっ、コイツっ、こうなったら真の姿も見せてやろう……！」

勇者「とりゃ！」ﾋｮｲ

魔王「ああっ、貯めの長い範囲攻撃を避けるなっ！ もうあったまきた！ 野郎ぶっ〇してやるぅぅぅぅ!!」

勇者「とりゃ！」ﾋｮｲ

1時間後

勇者「でやぁぁぁぁ!!」1ﾀﾞﾒｰｼﾞ

魔王「うぉっふ!?」ﾁｰﾝ

〜〜〜〜

勇者「魔王！ 覚悟！」

魔王「待て勇者よ」

勇者「なんだ！」

魔王「このやり取りも懐かしい……お前、一体何年ぶりだ？」

勇者「？ 何の話だ？」

魔王「いや、ずっと私は魔王城でお前を待って…………はっ……まさか……!?」

？？？？？？？「じゃあ今回はレトロゲーム、勇者と魔王の実況解説を始めるぜ」

？？？？？？「RTAとか流行ったわよね！ 私懐かしいわ！」

？？？？？？？「霊夢もやってたのか。レベル1クリア動画とかもあったよな」

？？？？？？「実機が無いと遊べないのが残念だわ。魔理沙もやっていたの？」

？？？？？？？「ああ。リメイクを望む声も多い愛すべきクソゲーだからな」

？？？？？？「コアなファンもいるものね。じゃあ始めましょう」

？？？？？？「ゆっくりしていってね！」