受動的かつ容易な娯楽を消費する。

むずかしいことはできない。だってむずかしいから。



……と、そんなこんなで、毎回タスクが一段落する度にXやYouTubeを開いて受動的なコンテンツの消費に時間を使ってしまう。


いや……卒論って頭使うんだよ……これ以上読書とか重めのゲームとかに使うエネルギーは無いよ……。


「兄さん」


「ん〜?」


「ここ最近、スクリーンタイムが伸びてますね」


「ああ〜まあそれはスマホを使ってるからね〜」


「平日なのにYouTubeを6時間も開いて、何を見てるんですか?」


「それはVの切り抜き──ってあれなんで僕のスマホのスクリーンタイム知ってるわけ!?」


「それはもちろん、私が兄さんのスマホをペアレンタルコントロールしてるからです」


「え!? いやもう僕大学も4年生なんだからそんなペアレンタルコントロールの設定なんて──されてるっ!?」


何で!? 何で僕は高校生の妹に自分のスマホを管理されてるの!?


「兄さんがインスタをやってないのは知っていますけど、LINEにも女の子の友達1人もいませんよね。には」


「い、いやいるよ少しくらいわっ! ほら、この人とか苗字だけど、一応女の子なんだから! 同期の!」


「……………………兄さん」


「え、な、何?」


急に変わった空気にたじろぐ。


「キッズケータイにしましょうか」


「え嫌だよ?!」

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