道化師となった私の告白

第1話言葉の暴力


皆に問う。

「目が虚ろ」だと言われた事があるか。

「生きてて楽しいか」と問われた事があるか。

「人生を捨てたらどうだ」と、ゴミを見るような目で言われた事があるか。


私にはある。小学の時から、高校に入った今に至るまで、絶対に一度は投げつけられてきた問いだ。その問いに、答えなど存在しない。

ただの、言葉の暴力だ。


私は、自ら道化師を選んだわけではない。

「なった」のではない。「ならないといけなかった」のだ。

人間関係と環境が、私をそうさせた。


そうしなければ、私という私の本性を、消しかけてしまう。

だから、私は道化師になった。



第二章 正常な人という仮面


私は、「正常な人」という仮面を被り、学校へ行く。 絶対に見せないようにしているのは、「本性である私」である。


見せてしまったら終わる。

友達や、大事な人が、私のもとへ戻ってこなくなる気がして恐怖でそれができなかったのだ。


だから私は、道化という「正常な人」を演じるのである。

そうすると、嘘のように、友達や大事な人が、私のもとへ話しに来てくれるのだ。


私は、愛されたい。

誰も消えてほしくない。

これが、私の「本性」なのである。


誰も私を構う事が無くなるのが、この世で一番の恐怖なのだ。

ただ、誰かに、私のそばに居てほしいだけなのである。



第三章 私という小説


私は、何者なのか。分からない。

本当にこれが私の本性なのかも分からない。

ただ、言えるのは私の小説についてだ。


私の小説は、私の「本性」であり、「本音」なのである。


恋愛小説や、ミステリー小説。

色々な小説があるが、私には書けない。

唯一、書けるのは「私」だ。


私は、私を書き続ける。


それを、誰かに読んでもらう。

それが、「私」という小説なのだ。

「私」という小説しか、書けないのだ。


最後に、道化師である私から、質問です。


なぜ、人は生きようとする。

なぜ、生き続けようとする。


道化師となった私には、その答えは、もう見えやしない。

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