掌編(?)散文(?)詩(?)集
わたしだ
朝は風邪模様
季節に合わない寒さのお陰で、扁桃腺に違和感を覚えた今日この頃。三寒四温というのは春の訪れ前の最後の試練であるとしみじみと思う。花粉症は持っていないから、きっと風邪の予兆だろうと、くるまった毛布の中で自然とため息が漏れた。
金曜日――休みまであと一日というこの日に体調を崩すというのは、ある種のジレンマ。
一昨日は暖かかったから大丈夫だろうと、それまで掛けていた羽毛布団を一つ取り去って、昨日もその流れのままでいいとしていたら――、
やはり横着はいいことを生まない。
やけに眩しいと思えば、カーテンから覗き見程度に差し込んでくる朝日は丁度、私の顔へと降り注いできていて、そこでようやく無意識のうちにアラームを止めていたことを危惧した。
すぐさま枕元のスマホを確認すれば時刻は既に八時半。起きたばかりの体に、脳だけが独り走り出し回転数が引き上がった。
状況は、非常に悪し。もう既に遅刻は確定。どう謝るべきか。まずは、電話をしないと。
暗転しきっていないスマホを見ると、並ぶのは幾つかの着信履歴…。
私は、手に持ったスマホを放り捨ててまた毛布にくるまることにした。
もういいや。
このことを後悔したのは、また目が覚めた昼頃のことだった。
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