好きの跡
俺は夢を見てた
中学時代学校の裏庭で一人で座っている女の子
今じゃちょっと生意気な後輩
でも当時の彼女はどうも今の天真爛漫で明るい性格とは真逆で何もかもつまらなそうな顔をして空を眺めていた
『こんなところに先客とは珍しいね』
思わず声をかけていた
『誰ですか』
まるでどっか行けと言っているようなそんな口調で
『ここは俺がいつも時間潰す時に使ってる場所なんだ』
こうやって時々春奈とここで会って打ち解けて仲良くなった
そんな昔の記憶の夢
『どうしようかなこれ』
昨日春奈に気持ちを告げられ吸われた首の跡
これはどう考えてもキスマークだよな
首には赤黒く吸われたキスマークの跡がくっきりついていた
とりあえず俺は救急箱から絆創膏を取ってキスマークがあった場所に貼る
どうかばれませんように
ー登校ー
『おはよう、咲夜』
いつも通り挨拶をする
『春斗おはよー、ってその首の絆創膏どうしたの?』
当たり前と言えば当たり前の質問なんだが
彼女に対してすごい不誠実な事をしているせいで冷や汗が止まらない
『いや〜、なんか虫に刺されたぽくて痒くて掻いてたら血が出ちゃったんだ』
『なんでそんなんになるまで掻くのよ
薬なりなさいよ』
まぁなんとか誤魔化せてよかった
いや良くねぇよ
暁さんに続き春奈までどうしたんだよ
俺みたいな一般的で可もなく不可もなく程度の男の何がいいんだよ
まぁそもそも咲夜みたいな可愛い彼女がいる時点でおかしいが
もしかしてモテ期なのかな
まぁとりあえずその事は忘れよう咲夜といる時は楽しまないとな
ー学校ー
学校に着いて藍にもすぐ首の絆創膏を聞かれたがてきとうに誤魔化した
今日は暁さんとも何も起こらないし、春奈ともまだ顔を合わせてない
春奈の件は後で話すとして、何も起きないといいなと思いながら過ごしていたら気づけば昼休み
『ちょっとトイレ行ってくる』
藍にそう告げて用を足す
トイレから出ると暁さんが立っていた
なんでこうも厄介ごとに被せてめんどそうな事が起きそうになる
俺前世ではなんか悪い事したのかよ
いや一般的に見れば徳を積みすぎた可能性も
『春斗くん』
すぐさま名前を呼ばれる
『何かな暁さん』
『ちょっと付き合ってもらえる?』
いやダメだ着いていったら何されるかわからない
『ごめん、藍を待たせてるからまた今度ね』
『セクハラされたって大声で叫ぶわよ
私とあなたの言葉、皆んなはどちらを信用するかしらね』
こいつもかよ、なんで同じ手法で攻めてくるんだよ
春斗攻略ウィークポイントとか調べれば出てくるのかな
『わかったわかった、だけど変な事はやめてね』
俺は屋上にでる扉の踊り場まで連れてこられた
『それで何かな、あまり藍を待たせるのも悪いんだけど』
ちょっと強めの口調で言ってみる
これで少しは引いてくれないかなまぁ引かないよねあの暁さんだし
『昨日の女は誰?
春斗くんの家にまであがったみたいだし』
えーとなんで知ってるのかな
もしかしてストーキングされた?
もしかしてこの方アグレッシブな努力家さんかな
『中学時代の仲のいい後輩
高校も同じになって昨日久しぶりに再会して遊ぶことになって家でゲームしてた』
まぁ他に凄いこともされたけどそこは伏せておく
『ふーん、そうなんだ
じゃぁあの子とはやましい事は一切なくただ単純に遊んでただけって事ね』
言葉が詰まる
確かに俺にやましい気持ちは一切なかった
でも昨日のした事はやましすぎる
『あ、あぁやましい事は無かった
話はこれで終わりかな、なら俺は教室戻るね』
そう言って踵を返すと肩を掴まれ強い力で押される
それに耐えられず踊り場に尻餅を着く
俺は唖然として暁さんを見上げる
この体勢なんかやればいいのかね
俺もいい加減学習してくれよ
暁さんはそんか物分かりのいいタイプじゃないだろ
心の中で自分を叱責する
『急にどうしたのかな暁さん』
苦笑いを浮かべながら必死に言葉を口にする
『少し確認させて』
暁さんはしゃがみ込み俺の首元に手を伸ばし絆創膏を勢いよく剥がす
『これキスマークよね
何もないって言ってたけどこれはどういうことかしら
昨日あなたが家に着くまでこんなの無かったし咲夜ちゃんはバイトで会ってないはずなのだけど』
なにこれ尋問されてるのおれ
俺どうやって返すのが正解かわからないまま沈黙した
『咲夜ちゃんだけじゃなく他にも春斗くんに好意を向ける女性がいるとは驚きね』
確かにその通りなんだけどさ
仮にもあなた俺の好きだよね
驚きってもっと好きな相手を持ち上げなよ
いやいやそんなことよりバレたしまずいな
『まぁなんというか、春奈も久しぶりの再会で気持ちが昂ったぽくて勢いでされちゃったんだ
俺もあいつにはこれからきつく言うつもりだっからこれは事故かなーなんて』
暁さんは納得いってない様子
すごく眉間に皺がよってる
『とりあえず、咲夜ちゃんには黙っといてあげる
そのかわりその後輩とはそう言うことしなで
それと今から五分動かないでね
動いたら咲夜ちゃんにバラすから』
『わかったわかったその指示に従うよ』
てかなんの五分俺これから何されんだよ
でも咲夜にバレたら終わりだし、どうすることもできない
『物分かりがいいのね』
そういうと暁さんはキスをしてきた
俺が驚く間もなく舌を口の中に入れてくる
ねっとりとした淫らなキス
少ししたら暁さんは唇を離した
『もう終わりでいいだろ』
これ以上は俺の理性が持たない
早く終わらせたい
これ以上俺に罪を被せないでくれ
『まだダメ
五分経ってないし』
そうら言い放つと暁さんは俺のワイシャツの第二ボタンまで外す
『なにし、て』
俺が言葉を言い切る前に暁さんはワイシャツを剥いて生身の肩に噛みついてくる
『暁さんはやめ、て』
噛む力をどんどん強めてくる
俺はなんとも言えない気持ちになる
痛みはあるがそれと同時に少し心地よさまで感じている
なんだろうこの感じ
ようやく暁さんは口を離して最後に俺の方を舐める
『こんなもんかしら、キスマークなんかつけられて私は黙っていられないから
春斗くんが本当は誰のものかあなたの身体に刻んだかないと』
俺は自分の肩を見る
そこにはすぐには消えそうにない歯形がついている所々少し出血もしている
『俺は誰のものでもないし、付き合っているのは咲夜だけだ』
なんとか残りの力で言い返す
『今はね』
そう言い残して彼女はその場を後にする
『咲夜すまない』
謝っても意味がないのはわかってる
でも口せずにはいられなかった
恋の毒におかされるまで @mayoerumikan
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