悲しいくらいに青い空が、夜に溶けるまで

​【結末：新しい朝へ】

​窓の外では、夕暮れ時の一番星が輝き始めていた。

これからの生活は、決して楽なことばかりではないだろう。10歳の年の差、周囲の視線、新しく始める仕事……。

​けれど、私の手を握る彼の温もりは、何よりも確かな真実だった。

夫に「興味がない」と言われ、透明な幽霊のように生きていた私は、もうここにはいない。

​「お腹、空いたでしょ？ 今日は俺が作るから。座ってて」

​キッチンへ向かう彼の背中を追いかけながら、私は心の中で呟いた。

――ありがとう、キミ君。私を見つけてくれて。

​悲しいくらいに青かった空は、今は穏やかな夜へと溶けていく。

私たちは、二人で一つの新しい物語を、ここから書き始めていくのだ。

「キミ君、一緒に作ろう!」

キミ君を追って私もキッチンに向かった。